ジュヴナイルズ・ランドスケイプ ~数奇なる魔女とエソライズムエンジン
学倉十吾
序章
第1話
さながら闇のような少年だった。長く艶やかな黒髪が風にたなびいて、戦火の炎を残酷にも照らし返していた。
闇夜に溶け込む漆黒の着衣。反して、肌は生命の脈動を感じさせないほどに青白く、しかししなやかな筋肉が皮下に張りめぐらされていることを見る者に訴えかけている。
少年の顔を飾る黒き仮面〈
さながら闇の眷属を彷彿させる少年がこの刹那、有象無象の軍勢を前に、遂に抜刀する。
そうして凶宴の狼煙のように、呪文めいてその唇に口遊まれる。
――我は、裁き、斃し、屠る者。
「あらゆる敗北の物語は、この俺が覆す。さあ、逆襲の幕開けだ――」
これは、いつしか〈黒き逆徒〉と恐れられた、昏く黒き、そして孤独な少年の物語。
その少年の名は――――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます