ポムリエの手紙

須天一哉

ポムリエのとセディ

 ある休日の昼前、セディが書斎のドアに手をかけると

「お兄ちゃん!」

と呼ばれ、振り返った。

 ポムリエはもじもじと手を後ろに隠している

「何?」

 セディは屈んでポムリエに目線を合わせた。


 ポムリエは嬉しそうに笑って、隠していた手を前に出した。

「はい、お兄ちゃんにお手紙」

差し出された手には封筒が握られていた。

「ありがとう」

手紙を受け取り中をあけた。

手紙を広げると文字を書こうとしているのは分かるがぐにゃぐにゃしていて読めない。

「なんて書いたの?」

と聞くと

「言うのが恥ずかしいから書いたの。読んで」

とポムリエは恥ずかしそうに言った。

 うーんとセディは立ち上がり、ポムリエの手をとってレイン達の寝室に向かった。そこが今の子供部屋兼夫婦部屋。

 部屋に入るとレインはパソコンに向かい、アルスはベッドでベルと体遊びをしている。

 アルスが手をあげるとベルも真似をして手をあげた。

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