第三話 転生した場所がまともじゃない
ドサッ
優「もう、もっと普通にやってくれよ」
優「ってあれ?」
ここは、どこ?
暗い、なにも見えない。
どうやら僕はどこかの箱の中で寝ているようだ。
優「よっこらしょっと」ギィィィィ
優「ってこれ棺桶じゃん」
たしかに一回死んだけどさ、転生して始まりが棺桶の中ってどうなの?
優「とりあえず近くに村とかないか調べるか」
・・・自分でも不思議なくらい冷静だった
どうやらここは森の中のようだ。森の中は異世界とは思えないほど現実と似ているが、見たことのない木の実や見る限りたくさんの自然が広がっているようだ。これらを見るにやはり現実とは違うことがわかる。
森の中をしばらく進んでいくと森を抜けた。
優「ん?」
僕の前には怪物に壊された村があった
優「えぇ」
怪物「ガァァァァァァ」
優「やっばこっち来た」
どうする?
戦う ➡ 勝てるわけない
アイテム ➡持ってない
逃げる
逃げる
優「って逃げるしかないじゃないかぁぁぁ」ダッ
僕は必死に逃げた。
この世界に怪物もといモンスターがいるということはこの世界はRPGみたいなファンタジーの世界なのだろう。
僕は森の中を必死に走る。転生の特典は受け取ってないわけだからすぐに疲れて追い付かれてしまうだろう。そう思っていたがしばらく全力で走っててもあまり疲れを感じない。どうやらこのファンタジーの世界に合わせて僕の身体能力や体力を上げてくれているようだ。特典はいらないと言ったが、これは感謝することだろう。
しばらく走っていると僕がこの世界に来たときの棺桶があった。どうやら必死に走っているうちにもとの場所に戻ってきたようだ。後ろから怪物達の声はしない。どうやら逃げ切ったようだ。
優「ふぅ、やっぱりファンタジーの世界だからこういうこともあるのか」
魔物に破壊された村。RPGではありえるイベント。こんな序盤にでてくるとは思わなかったけど、どこかもわからないところにいるしやはり現実はゲームやアニメの世界のようにはいかないようだ。
「ガルルルルルル」
声がした方に振り向くと狼型のモンスターがこちらに牙を剥けている。どうやら1匹まだ追いかけてきていたみたいだ。
優「どうしよう」
悩んでいると狼型のモンスターはこちらに飛びかかってきた。
優「うわ!?」
なんとか避けることができた。と、ここでモンスターの動きが変わる。少したつとモンスターの口から魔方陣らしきものが出てきた。そして魔方陣から槍のように鋭い風の刃が放たれた。これが魔法か。現実で見てみると魔法がどれだけ凄いものかわかる。しかし感心している場合ではなく、必死に風の刃を避けた。しかし完全には避けきれず腕に傷ができてしまった。しかし、その瞬間脳内に呪文の詠唱のようなものが浮かんできた。
優「やるしかない!」
優「貫け、風の刃!“エアーランス”」
そう唱えた瞬間、モンスターが使ったものと同じような魔方陣が展開され、槍のような風の刃が放たれた。自分が放った風の刃はモンスターの体を貫きモンスターは息絶えた。
優「あ、危なかった~。それにしてもなんだろうこれ。急に使えるようになったけど」
ふと棺桶のほうを見ると棺桶の中に紙が見える。僕はその紙を手に取った。
やあ、無事に転生はできた?
言ってなかったけどどこに行くかはわからないから。
あと能力もつけといたよ~
感謝してね~
称えてもいいのよ~
by神様(仮)
能力つけたのかよ。せめて能力の詳しい説明とか欲しいものだ。とりあえず推測するにさっきの脳内に詠唱が浮かんできたのはその能力によるものだろう。恐らく見た魔法とかを使えるようになる能力だろう。もっと上かもしれないけど。
さて、これからどうしよう。さっきの方向にはモンスターだらけの村。となると反対側に進んでいこう。この森も安全ではないようだし。
さっきのモンスターからなにか石みたいなものが出てきた。普通の石ではないことがすぐにわかるほど魔力?みたいなのを感じる。これが魔石というものなのだろうか。村か町でも見つけたら聞いてみよう。
僕はさっきとは反対方向に進んでいった。まわりを見てもひたすら木、そろそろお腹もすいてきた。木の実はあるが、腹を満たすには足りないだろう。喉も乾いてきたから泉なんかもあってほしい。このままでは転生して1日目にして餓死してしまう。しばらく歩くと小屋が見えた。扉は壊れていて人の気配もしない。恐らくモンスターに襲われたのだろう。放置された小屋の可能性も考えたが食料と水が残っていたためその可能性はないだろう。食料と水はモンスターの襲撃もあってかいくつか散乱していた。しかし、無事な食料と水だけでもしばらくはもつだろう。僕は食料と水を出来るだけ袋に詰めて森を進んでいった。
少年進行中…
森を抜けて草原に出た
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