第10話

【勇者でも魔王に恋がしたい!】


十話


なぜか頭が痛い。ガンガンする。頭を抑えながら俺は立ち上がると、そこには仲睦まじく話すバニラとミカエルとアンナがいた。

バニラとミカエルは二人掛け程度のソファーに腰掛け、それに対面している同じようなソファーにアンナも座っていた。


「……おはよ。勇者」


「あ、あぁ。おはよう……」


そう言いながらも、俺はアンナの横に腰掛ける。


「なんで俺はこんなところで寝てたんだ?頭痛いし」


「さぁね。知らない方が身のためよ」


そう言って微笑んだミカエルさんの後には吹雪が見えた。

ここ、部屋の中だし、ここは雪国だそこまでのものじゃない。なんだあれ、確実に何人かやってますよ。

恐怖に凍えそうなそんな時、ガチャっとドアが開いた。


「お待たせしました。お食事の用意が整いました。皆さんこちらへ」


一旦は逃げることに成功した。

安堵しながら案内の通りに、俺らは食堂へとやってきた。

ライドンさんはまだ目が覚めていないので居ないが、俺を含め四人で部屋に入ると、そこには長い十人から十五人ほど一緒に食べれるほどの大きな長机がドーンと存在感を放っていた。ここ本当になんだろ?すげえ金持ちだな。

その机に並んでいるものもそれを物語っていた。海老や鯛などの魚はもちろん、霜降りの入った肉や見ただけで新鮮とわかる野菜のサラダ。サラダはもう既に用意されていたが、肉や魚にはまた何もされていなかった。


「とりあえず、そちらをどうぞ」


そして、おじさんは魚を手に取り奥にある見えるキッチンへと向かった。

そこには鉄板があり、ヘラを駆使しておじさんは魚をこんがりと焼いていく。

こんなにしてもらっていいのだろうか?なんて思いながらも俺らは席に座り、それを眺めながら用意されていたサラダを食す。

うまい……なんてものではなかった。もう、どうしようもないほど美味いのだ。

本当にサラダかこれ?いや、野菜だ。野菜だが、うまい。レタスやキャベツのようなものが主体となっていてそこに少し酸味の効いたドレッシング。そして、蒸されたサツマイモが甘さなんかを出していた。

そして、俺らは言葉を失いひたすらにたべる。それはあっという間にな無くなった。その直後を見計らっていたのか、おじさんはグットタイミングで蓋をした何かを乗せた台をコロコロと押してやってきた。


「お口に合いましたでしょうか?」


「私の王宮ではこんなの食べれなかったわ!!」


元魔王であるアンナが目をキラキラさせてそんなことを言った。やっぱこの子はただの女の子だな。と、再確認させられる。

やっぱりロリロリして可愛いね!!


「ならよかったです。では、次の品をどうぞ」


そう言って俺らの前でその蓋を取った瞬間に湯気と食欲をそそるいい匂いが部屋中に立ち込めた。

そして、湯気が晴れて匂いの正体が姿を見せる。

それは先程おじさんが焼いていた鯛だった。皮までしっかりと火が通っていてパリパリだ。そしてこの香り。見ているだけでよだれが止まらない。

それにおじさんがナイフを入れる。すると、入る度にパリパリっという音をいい音を立て、中からはじゅわーっと肉のように油が溢れて出てきていた。

取り分けられたそれが俺の皿にも盛られた。


「では失礼します」


そしておじさんは、肉を手に取ってまたあっちのキッチンの方へと去っていった。


次は肉か……なんて思いながらも、俺は目の前にある鯛に手をつける。まだ焼きたてで箸を入れると湯気がムワッと出てくる。

それからすぐに自分の欲望の赴くままに箸でつまんで口に運ぶ。

やはり美味い。塩だけで味付けしてあるだけなのか淡白な感じではあるのに、濃厚な脂の旨みが口の中で広がる。

そして思った通り皮はパリパリだ。飽きさせることがない。

そして食べ進めていくうちに、もうほかの皿も俺の皿にも鯛はなくなっていた。

人は本当にうまいものを食べると無口になる。というかその事しか考えられなくなる。

なので俺らは一言も会話することなく、ただ次はどんなもんが出てくるのか。なんてことしか考えてなかった。

そんな期待に答えるように、おじさんがまたまたいいタイミングでこちらに戻ってきた。

今度はメインディッシュ肉だ……

厚切りなのにも関わらず、肉は生焼けほどのものだった。

少し抵抗があるが、この肉から溢れ出す肉汁と匂い……

それが皿に盛られ、気づいたらもう俺は手を動かしていた。

フォークで肉を刺して口放り、歯が少しそれに触れた。その瞬間にパァーっと肉汁が爆弾のように弾け、圧倒的存在感を口の中に残すとそいつは消えていった。


「すげえな……これ」


思わず頬が緩み、声が漏れる。


「ええ……そうね……」


魔王さんも食べたことのないような肉……本当にここは一体なんなんだろうか?

それからデザートも出てきたが、それも一級品だった。

そんな旨いものを食べたあと、俺らは余韻に浸りながらも用意されていた各自の部屋に戻った。

その部屋も広く、風呂、トイレ付き。ダブルサイズくらいあるベットと小さな机と椅子があった。風呂に入った後、完璧にベットメイキングされたそれに飛び込む。


「ふぁ……幸せだ」


もうずっとここの人でいたいなぁ。

そんな時にコンコンっ。と、扉を叩く音がした。


「……はい」


「お邪魔しまーす」


能天気な声で、俺が開く前に元気よく扉を開けた馬鹿はバニラだった。


「……なんだよ?」


「うわー。露骨に嫌そうな顔した!だからまだマルクは童貞なんだよ?」


「黙れ処女が!!というか出ていけよ」


勝手に上がり込んだやつにそう言うと、俺はドアを閉める。


「へ、変態!!何いやらしい事考えてるの!?わ、わ、私がその……バージンでもなにも悪くないでしょ?それともバージンは嫌なの?」


「……意味がわからんから出てけ」


なぜ上目遣いなんかでそんなこと言うんだよ。ビッチかよ。


「なんでそんな事言うの!!だから童貞……」


「さっき聞いたわ!!ボキャブラリー貧相か」


「うぅ……」


なぜ泣きそうになるんだよ……俺が悪いみたいじゃねえかよ……


「まあ、いいや」


そう言って俺はベットに腰掛けると、バニラも何故か俺の横に座る。


「……近いんだが?」


「へへーん」


なぜか奴は甘えてくる猫のようにぐるぐると喉を鳴らして、俺の腕にすり付いてくる。


「……なんだよ?」


「……最近さ?私あんまりマルクに構ってもらってないなぁって思ってさ?」


「すげえ、もうめっちゃくちゃ構ってるだろ?というかそろそろ勇者離れしなさい。俺のこと好きなの?」


「ば、ばばばば馬鹿!!そそそそそんなことあるわけないでしょ!?」


顔を真っ赤に染めて手をブンブン振り、顔を隠そうとする。


「なに?まさかの図星?」


「だ、だから違うって言ってるでしょ!?私もう帰るから!!」


バニラは手で顔を覆いながらドアに走り、ノブに手を掛け部屋を出る。早く行けばいいのに奴はそこでこちらにくるっと振り向くと、「いーっだ!」と、唇を左右にひっぱってそう言うと、バタンと強くドアを閉めた。


「まさか、な?」


あいつとは家族みたいなもんだし、そんなことあるはずがない。俺の勘違いで済む……はずだよな。

とりあえず、寝よう。久しぶりに野宿じゃなく宿……いや、それよりも豪華な場所に泊まれたんだし、今日はゆっくり休もう。


*****


結果だけ先に言おう。全く寝れなかった。

日は昇っているが、別にここから寝ることも出来る。だが、朝食ができているらしいので、一階のみんなで過ごした談話室的な場所に行くことにした。


「おはよー」


そう言って欠伸をしながら入ると、中にはもうミカエルさんとバニラがいた。


「おはよ」


本を読みながらではあったが、ミカエルは挨拶を返してくる。


「おっはー!!」


昨日のことは忘れてるのか奴はいつも通りだった。

やっぱり俺の考えすぎだったみたいだな。意味もなく脈拍上がったぜ。


「まだライドンさん起きないのか?」


「そうみたいだな」


そう訊くと、ライドンさんが居るであろう方からアンナが入ってきて答える。


「お?おはよーアンナちゃん!」


「お、おはよ」


バニラにそう言われ、少し顔を赤らめて彼女はそう言った。

可愛いなぁ。挨拶するだけで照れちゃってさ!


「ライドンさんの看病してたの?」


本を机に置くと、彼女はそう聞く。


「いや。様子見をしただけだ。あと二、三日はゆっくり休んだ方がいいだろう。魔力減衰がひどいからな」


遠くを見つめながら彼女はそういう。でも、ライドンさん。敵にやられた訳じゃないんだよな。


「少しやりすぎたようね……」


憐れむような目で彼女はアンナの出てきた方のドアを眺めていた。氷の女王みたいな冷たさしてる彼女が反省してますよ。これは珍しい。明日はヒョウでも降るのかな。

そんな時、部屋のドアが開いて誰かが入ってきた。それはあのおじさんだった。やはり今日もスーツ姿でバッチリ決まってるな。


「おはようごさいます。昨夜はよく寝れましたか?」


「ええ。お陰様で」


アンナがそう答える。


「左様でございますか。では、お食事の用意が整いましたのでこちらへ」


おじさんに言われるがままについて行くと、昨日の夕飯を食べた場所についた。

でも、やっぱこの洋館広いわ。どっかのホラーゲームで使われてそうな感じ。っても怖さなんかはないんだがな。

朝ごはんは軽めのものであったが、何を食べてもうまい。文句のつけようがないぜ!


「あ、そうそうマルク」


「ん?どうした?」


クロワッサンを食みながら、バニラにそう聞き返す。


「装備品のとかいろいろ結構ボロボロになっちゃったから、鍛冶屋とか買い物とかしとかない?」


……確かに最近戦い続きで装備品の修理とか出来てなかったし、いい機会かもしれないな。お金もボスばっかりだったからかなり入ったし!


「わかった。そうしよう」


クロワッサンを飲み込むように食べると、そう答える。


「ねえ、この辺にそんな感じのお店ある?」


上品に紅茶を飲みきると、ミカエルはそう聞く。


「はい。ございますよ。館を出たらそこに全部揃ってると思います。お出になられますか?」


そして、おじさんに洋館の入口まで送ってもらい外に出ると、そこは小さい街とかそんなもんではなく、城下町のように栄えていた。


「すげえ……都会ってこんなになってんだ」


「私の私有地より広いな」


「あっちも十分広かったけどねー。あ、あっちに洋服屋さんがあるー!マルク行こー」


アンナはがっしりと俺の首を片手で掴む。


「ちょ、バニラ?」


彼女を見ると、ニッコリと笑っていた。


「レッツゴー!!」


「お、おい!首閉まるから引っ張んなってぇぇぇ!」


化け物的な腕力で引きずられ、予定とは全く関係ない洋服屋に連れ込まれた。そして、辺りを見渡してみると、女物のかっこよさげなものや可愛らしいものなどの服が並んでいた。男物はなかったがまあ、別に興味ないしいいか。


「いらっしゃいませー!」


若い店員さんが奥から現れた。普通に可愛いんだけど何この子。


「うわぁ……私という者がいながらそれはないわ。全くないわ。これだから……」


「……おい。そこで童貞とか言うんじゃないだろうな?」


「なっ!エスパー?」


アホだなやっぱりこいつは。そんなアホに構っていたせいで、あの店員さんはどっかに行っちゃったし。


「おいバカ。早く服買うなら買うぞ」


そう言ってさっさと服を見るように促す。


「はーい。わかりましたよー」


咎めるような口調で彼女はそういうと、いじけながら服を見始めた。


「よし、これでいい…………ん?あれ?おかしい」


なんで俺は服屋なんかに入ってるんだ?

食料調達と装備品の修理とかをする予定だったはず……


「ねね。見て見て!」


そう言って片手には白色を基調とするワンピース、もう片手には同じような服を持っていた。溜息をつき、訊いた。


「何がどう違うんだ?」


「えー?そんなのもわかんないの?だから童…………キモイんだよ!」


頑張った結果がみれたので、例え小学生並みのものでも、今回は何も言わんでおこう。


「で?服は決まったのか?」


「うんっ!試着してくるから待ってて!」


そう言うと、近くにあった試着室に入っていった。


この店にはそれなりに人が入っていて、なぜかみんながこちらを見ている……ような気がする。

早くバニラ出てきてくれよ……なんか暑いし……空調効きすぎなんだよな。


「あーあついあつい」


襟をパタパタさせてそう独り言を呟いていると、試着室のドアが開いた。


「おまたせ……ど、どう……かな?」


前髪を弄りながら出てきた彼女の頬は、ほんのりと赤くなっていた。

いつものバカっぽい格好とは違い、清楚系の青の膝下くらいまであるスカートと白色のふんわりとした可愛らしい洋服に俺は心を撃ち抜かれた。どのくらい抜かれちゃったかというと、制服姿しか見たことないクラスのマドンナの私服姿をまたまた目撃したくらいに凄いものだった。


「……その……すごく似合ってると思うぞ」


「そっか!!よかった!」


そう言って満面の笑みで答えてくれた。……予定にはなかったけど、悪くないかな。


*****


「えへへー!」


「……よかったな」


無邪気に笑って、買った洋服の入った紙袋を眺める彼女。体つきは少し変われど、まだまだ十四歳だし仕方ないか。まあ、ライドンさんに言わせれば俺もまだ十八なんだし子供みたいなもんなのだろうがな。


「どーしたの?なんか難しい顔してるけど」


「……別に大したことじゃねえよ。それと、近いわ」


「そっか!」


納得したようだが、俺の腕にやつは絡んだままだった。

というか、アンナとミカエルさんの二人はどこいったんだ?こいつに引っ張られたせいで別れちまったが。


「あっ!あっちにクレープ屋さんがあるー!」


ん?このような発言さっきも聞いたような気がする。……そして、絡まっているバニラの腕の力が強くなる。……妙に既視感があるな。


「だから、引っ張んなって言ってんだろぉぉぉ!!!」


デジャブを感じたら最後。俺はやっぱりさっきと同じように、クレープ屋まで引きずられていた。


****


痛い……なんで俺は面倒に巻き込まれなければ行けないんだ……買い物は女子らで行けばいいのに。なんて思いつつも俺らはクレープ屋の前についていた。

そこには結構の人が並んでいた。

なんでクレープ屋ってこんなに混むんだろ?それも若者ばかりですよね。まあ、美味いけどな。

暫く並ぶと俺らの番がやってきた。


「何にしましょうか?」


「俺はじゃ、バナナチョコ。お前は?」


と言って、視線をやると、しゃがみ込み、よだれを垂らしながらキラキラした目で商品ケースの中の一つを眺めていた。

その視線の先には一つ千ゴールドもするいちごやらバナナやらが、もうなんかごちゃ混ぜになったスペシャルなクレープがそこには鎮座していた。


「……と、それを一つ」


はぁ。また余計な出費したわ……

とはいえ旅で貯まったお金はまだまだある。問題は多分ないだろう。

そして、商品を受け取りお金を払うと、とりあえず小さなベンチに腰掛ける。


「マルクありがとー!ちょーだい!」


そう言って手を出してくる。渡そうと思ったが俺の手は止まっていた。


「……え?嫌だけど?これ俺二つとも俺のだし」


そして、自分のである方の小さい方にかぶりつく。

美味い。やっぱりクレープってったらこれよな。

そして、横を見ると物欲しそうな顔で目をぱちくりさせながら見つめてくる。


「……悪かったよ。はい。これ」


「うわぁ……ありが……って、ひどい!!なんで早くくれないのさ!」


全く、悲しんだり喜んだり怒ったり忙しいやつだな。


「ごめんごめん。それより食べな」


「言われなくても頂きますぅ〜」


少し頬を膨らましながら彼女はそういうと、それに豪快にかぶりついた。

頬にクリームをつけながら、ふごふご言って食べる。よほど美味いんだろう。


「どれ、俺にも一口くれよ」


「……私はマルクみたいにケチじゃないから一口くらいあげるよ!」


そう言って口元にクレープを近づけてきた。


「じゃ、遠慮なく」


俺は自分の口に入るだけ大口で、一口食べる。こりゃ過去最高の一口だぜ。


「あぁあぁぁぁ!!!!わ、私のクレープ!!!」


「…………確かにうまいなこれ……ん?なんだ?そんなに発狂するなよ。たかが一口だろう?心の狭いヤツめ」


「……うぅ。私、心広いもん!」


そう言って強がるが、目からは雫が溢れそうになっていた。

流石にやりすぎたな……


「……俺、おなかいっぱいになっちまったからこれも食べるか?」


そう言って差し出すと、彼女は満面の笑みで俺のを受け取り食べ始めた。

なんて現金な子なんだ。俺の教育間違えたかな?

でも、子供でいれるのもあと少しだろうし、昔から散々な目に遭ってるんだ。少しくらい甘えたっていいのかもな。


「ねね、マルク!大変だよ!」


「どうした?お腹でも痛いのか?もしかして女の子の日か?」


「違うよ!エッチ!……もう気付かないの!?アンナちゃんとミカエルが居ないの!」


ぷんぷんと怒ってバニラはそういう。


「……え?今更?というかずっと居なかったぞ。お前が俺を洋服屋に連れ込んだ時からな」


「え!?そうなの!?」


「やっぱり気づいてなかったのか。ま、バカの子だし仕方ないか」


「馬鹿って何よ!とりあえず、探そーよ!」


「まあ、そうだな。探すか」


なんて言ったが二人の位置はわかってるんだけどな。地図で見ると位置情報も出てくるから。


「……ということでそろそろ出てきてくれないか?」


近くの茂みから彼女らは出てきた。


「バレちゃったのね……」


「まあ、な。とりあえず武器とか治しに行くか」


「そうだな……」


と、答えたアンナのお腹がきゅるるるっと、可愛らしい音を立てた。耳まで真っ赤にしてこちらをチラチラと見てくる。


「……よし!その前にお腹減ったし、飯食いにいくか!」


どうにかフォローはしてみるが、女の子だもんな。恥ずかしいよな。


「……アンナちゃん。今のマルクの記憶消したい?」


耳打ちでミカエルさんがあんなに何かを吹き込む。

ん?なんか今ミカエルさんが恐ろしいことを言っていたような……いや、気のせいだ。俺の仲間が「記憶消したい?」とか、そんな恐ろしいことを言い出すわけがないよな。

俺が一歩。一歩だけ歩いた時だった。

自分でも何が起きたのかわからない。瞬きも許されないほどの、そんな一瞬のことだった。

ガツン。その音を聞いた時にはもう俺の意識は暗転していた。


続く……

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