魔女
更級 あるん
第1話
何度ハンディモップをかけても埃というものは消えないものだと、ここにいると嫌という程知ってしまう。世の中除菌やら防菌と毎日至る所で目にするがここが時代に取り残されてしまいそうな店だからだろうか、プラスチックのケースは気がついたらうっすらと汚れが付いている。
夕方の店内には客入りは良いとはお世辞には言えない。
「いらっしゃいませー、こちら5枚全て旧作ですので7泊8日でセット料金での貸し出しです。……お会計1080円です。」
ほんの少しの愛想笑いを浮かべたは
「お客様〜?」
飽くまでもほんの少しだけ愛想の良い笑いを浮かべたまま縁は袋を突き出すと客はやっと気がつき無言でそれを雑に受け取り店を出て行った。
ああ、きっと縁は頭にきているであろう。
「神野さん、お疲れ様。」
タイミングよく次のアルバイトがカウンターにやってきた為、彼女の口からは暴言が吐き出される事は無かった。
「こんばんは、橋本さん。」
アルバイトが終わった縁はファミレスのソファーに座っていた男に声をかけた。橋本と呼ばれた男はアルバイト先で縁に声をかけてきた客だった。
「えっと、神野さんだっけ?来てくれてありがとう……。」
橋本は不安そうに言うと、向かいの席にどうぞと促す。
縁はリュックを乱暴に置くと
魔女 更級 あるん @egoist62
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。魔女の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます