ウェポンギア2〜月の形(仮)〜
@NIAzRON
第1話夏火の日常(1)
「さて今回紹介するのは
テレビからアナウンサーの声が響き渡る。
「
「どう違うのかと言うと……はい、ドラマ系MeTuberなんです。」
「ドラマ系?」
「はい!ドラマ系気になりますよね?エフェクターの動画は約10分間のオリジナルドラマを毎週3日アップしているんです」
「へぇー面白そう!」
「エフェクターは5人の男女で結成されたグループで、リーダーのアッキー君を筆頭にハル君、くさ君、ふゆこちゃん、みぃちゃんの個性的な5人が集まったグループです」
「エフェクターのデビュー作である【舞い散る桜の中に映る君の瞳に恋をした】…通称舞い恋としてブームになりましたよね?」
「あぁー舞い恋聞いた事あります!私の友人もファンだと言ってましたよ」
「はい、この舞い恋ですが、5人の若者達の恋愛を描いた作品で、これがラブコメが好きな20〜30代女子達にウケ話題となりました」
「主人公演じるアッキー君がかっこいいんですよね!」
「私はハル君推しです〜」
「また女の子も可愛いですよね」
「こうして火が付いたエフェクターは次に【あのー探偵ですけど…】と言うサスペンスミステリー作品を投稿」
「これめちゃくちゃ面白いですよね!毎回犯人のトリックが凝ってて推理小説ファンも納得の出来でしたよ!」
「そーなんです!前作が恋愛物なのもありガラッと雰囲気が変わった第2作はインパクトもあり更に推理も面白い。こうしてミステリーファンも取り込み爆発的なブームを巻き起こしました」
「それにしても皆さん演技力が上手いんですよね。私の知り合いの脚本家さんとかが困ってましたよ笑」
「そーですよね!まさかこんな本格的なドラマがMeTubeで見れるなんて驚きですよね!?」
「あのー探偵ですけど…は人気があり今の所全3シリーズが完結しております」
「まだ更に続く要素はありましたよね?」
「とにかく伏線が凄い!」
「そしてあのー探偵ですけど…の次に投稿したのが【主人公が勇者に転生するって誰が決めた!?】…巷では
「主転決!僕これ一番好きでした!」
「あ、僕も好きでしたよ!毎回ワクワクしてました!」
「はい、この主転決なんですが、この時に流行った異世界転生物を扱った作品なんですが!何が凄いって主人公が悪の魔王として転生しちゃうんですね!」
「そうなんですよ!これまで異世界転生物は正義のヒーローなんてのが主流だったんですが、ここにきて凄いフックが来た感じでした!」
「更にRPGとかゲームが好きな人に好かれるような物語で、毎回モンスターのCGのクオリティも凄くて男の子なら皆ハマったんじゃないでしょうか?」
「それからエフェクターの勢いはとどまることを知らずこの次に――」
プチン
アナウンサーが喋ってる途中にテレビが消される。
「リーダーがアッキーねぇ…」
チャンネルを持ってそう呟く女性は、パソコンの前に座ってる男に話しかける
「そう言われてるけど?くさ君?」
「俺の作戦通りだろ?みぃ」
この肩ぐらいまで伸びた茶髪を少しカールさせた可愛い感じの女の子の名前は
バッグや携帯にストラップだの色々付けてる女の子で、エフェクターの可愛いを担当している。あだ名は名前からみぃ。
そしてパソコンの前に座って編集をしてる男の名前は
これはエフェクターメンバーしか知らないが、本来のエフェクターのリーダーは夏火だ。
夏火はドラマの脚本も担当しており動画の編集もしている。
「
「あぁ、秋斗をリーダーって事にしたら映えるんだよ。それにアイツは俺と違ってコミュ力も高いからな」
「でもドラマの脚本とか動画の編集とか全部秋斗がしてるって設定はどうかと思うけどなぁ…」
「ん?何か問題があるのか?」
「なんて言うかイケメンで何でも出来るって秋斗ヒーローみたいじゃん?」
「俺の思惑通りじゃないか?」
「まあ、夏火が良いなら別に良いけどぉー」
そう言ってみぃはソファーに座る
「夏火は完璧主義者だからねー」
{カタカタ}とパソコンを弄りながら
「売れる為に常に先々を見据えて行動してるからな」
夏火はそう言う
「売れる為ねぇ…まあ、確かに夏火の言う通りしてたらここまで凄い事になったけどさぁ」
「他の配信者と違って特にお金が掛かるわけじゃないから楽な商売だろ?」
「そー言う言い方しないで!私は私で楽しくやってるんだから」
「でもいっぱいお金あるだろ?」
「もー!夏火ってほんと守銭奴!!」
そう言ってみぃは携帯を取り出す。
「ところで他のメンバーは?」
「まだ学校に居たよ!」
「大学生も大変だな」
「夏火だけだよね。ウチらで大学行ってないの」
「22だからって大学に通わないといけないって事はないんだよ。それに費用が勿体ない!」
「はいはい守銭奴守銭奴」
ピロリン
みぃの携帯が鳴る。
「ふゆこと春もう着くって!」
「
「秋斗多分女の子に囲まれてるんじゃない?」
「ふはっwwwwそれは面白いなぁ」
「人の不幸を喜ぶなっての!」
「ほんと、あいつをリーダーにして良かったよ」
「夏火って性格悪いよね…」
ガチャ
「「ただいまー」」
「あ、2人とも来たよ」
こうして夏火の日常は始まるのだった――
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