もふもふと鋼鉄人形

暗黒星雲

序 辺境の屯田兵

 ここは獣人の国、ラメル。一応独立国なのだが、実質アルマ帝国の保護国となっている。帝国は寛容な政策を実施しており、国民のほとんどはこの関係に満足している。帝国からの離反を唱える者はいない。

 ここはラメル東の果て、帝国直轄領との境目。

 俺は国境警備隊の士官ハーゲンだ。国境警備とはいうものの、殆どは出入国管理の仕事であり帝国外務省の役人がやる。俺たちは何か悪さをする者がいないか見張るのが仕事だ。しかし、ここラメルも帝国も治安はよく警備隊が出動するような事件はほとんど起こらない。実際、何もすることがない日常だ。仕方がないので砦周囲の荒れ地を耕し水をやり、野菜や果物を育てるのが日課となっている。俺の本来の仕事は鋼鉄人形ゼクローザスの操縦士ドールマスターなのだ。この砦にも一騎配置されているのだが出番があったためしはない。もっともたった一騎なのでいざ事が起こった場合は何もできないだろう。今日も暇な俺は作物の収穫をする。採れた野菜や果物を持ち砦の厨房へと向かうのだった。

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