駐輪場で500万拾った。

アル

第1話 駐輪場で500万拾った。1

俺は楢崎歩夢(ならさき あゆむ)。

父さんから「夢は自分で歩いて掴まえるものだ」と、小さい時から教えられてきた。

成長すればするほど歩幅が大きくなって、夢へと歩む一歩が大きくなると。


名前負けにも程があるよな。

そんな俺は今25歳でフリーターやってるよ父さん。




ゲームデバッガーの仕事に就いて早5年が経とうとしている。

毎日パソコンとモニターと睨めっこしているせいで、目は悪くなる一方です。

元々ゲームが好きで、何の気なしに応募してみたデバッガーのアルバイト。

毎日ゲームしてるのも苦じゃないし、人付き合いもまあまあできてる方だと思う。


アルバイトとはいえ約5年もいれば多少偉い立場だし、

そこそこ生活に困らないくらいのお金は頂いてます。

彼女なんてのはもちろんいないから、交際費にお金をつぎ込むことなんてのもない。

煙草も酒もやらないし、ギャンブルなんてしてる暇があればゲームでトロフィーコンプする。


ただ、生活に困ってもないけど 貯金もない。


貯金したとて誰に使うでもない。

将来の自分は、将来の自分が何とかするだろうと考えてた。


お金なんて、今と来月生きられる分だけありゃーいいかなって…。

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