となえる呪文を忘れた少女

「もう、呪文は忘れてしまいました」


寂しく微笑むと魔女と呼ばれた少女はか細い両腕を広げた。


「皆さんが刺せばあっけなく死にます」


武器を手にした人々は却って恐れを強めた面持ちで見詰める。


「そういう罠さ」


一人だけ丸腰の青年が呟いた。


「皆、戻ろう」


*departure(お題bot) @dpt_title_botさんの「となえる呪文を忘れた少女」からの創作です。

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