夜明けまでの男

「俺はこんな稼業だからさ」


 女形は私に寄る風にして翰床ベッドに腰掛けると手を取った。


「昼間は女として振る舞わなくちゃいけない」


 化粧を施さない横顔はうらさみしい女に見えた。


「日暮れから夜明けまでしか男に戻れないんだ」


 夜の暗がりの中、こちらの手を握る手がぎゅっと熱くなる。


 *創作のイデアbot? @IdeaSephirahさんのお題『よる』からの創作です。

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