結婚は契約だ、違ってはいけない

「陛下の御子は、私の子です」


深青の目は怒りや妬みを示さない代わりに、温かさも感じ取れない。


「生みの母が亡い以上、私が育てます」


「分かった」


そう答えるしかない。


「失礼します」


輿入れ以来変わらぬ輝く金髪と細腰の後ろ姿が遠ざかる。


眠る赤子の頬を撫でる手だけが初めて優しく映った。


*孤独な愛の育て方(お題bot) @kimi_ha_dekiruさんの「結婚は契約だ、違ってはいけない」からの創作です。

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