賭けに勝って

「それでは、賭け金は全部戴きますよ」


アホな御曹司さん、ありがとう。


これで、やっと彼女に渡す指輪が買える。


「兄さん、もう止めて」


飛び込んできたのは彼女だった。


俺を認めた大きな目が凍り付く。


「美人だろ?」


御曹司は彼女を示して笑う。


「妹を賭けるから、もう一番やらないか?」


*傾いだ空bot@bucher_wurmさんのお題「絡みつく夜気はちっぽけな幸福を嘲った」 からの創作です。

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