サバイバルかくれんぼ

桜上月過

序章 【開幕】

「うぃーっす」

そう言って教室に入ってきたのは天野武だ。時計は9時。HRが始まるのは8時40分。完璧な遅刻。

俺は吉岡信道、高一だ。天野とは俗に言う幼なじみで、親友でもある。そして彼の遅刻を誰よりも多く見ている人物でもある。

彼は幼稚園の入園式から毎日かかさず高校の入学式まで遅刻し続けている。そんな事を考えていると

「信道?どうしたのぉ?」と声を掛けられた。驚きのあまり俺はうわぁっと声をあげてしまった。

振り返るとそこには中学からの友人である田口由紀子と彼女の親友、吉田瞳が立っていた。「プッ・・・おめぇ女子にビビってやがんのww」

「う、うるせぇな!!」

武とそんな事を言い合っていると瞳さんが口を開いた。

「ねぇ、これ・・・見てくれないかしら?」

瞳さんの持っているノートパソコンには沢山の人の名前が書いてあった。 俺達も入っている。上には英語でsurvivalと書いてある。 何でも瞳さんの話によると昨日の夜からこの画面が出ていてシャットダウンもできず困っているらしい。瞳さんは成績が良く真面目でクラス委員長をしているから変な嘘をついているとはあまり思わなかった。

しかしこの時の判断が、後にあの悲劇を起こしてしまったのだ。

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