VS貅カ縺代◆荳我ココ 1

ジャングルを抜けた三人が向かったのは、人々が行き交うパーク・セントラル。

……のはずだったが、そこにあるのは朽ち果てた観覧車やジェットコースターなど、荒廃した遊園地が目の前に広がるばかりで、生き物の気配は微塵も感じられない。

さらにヒトや一部フレンズ達が住まう家、色とりどりの店が建ち並ぶショッピングモール等々、セントラルやその周辺にあるはずの建物はまるで最初から存在すらしていなかったかのように見当たらない。


「……ふむ。何かあればと思うたが、やはり宛が外れたか」

「…………;」

「な、何だこれ……遊園地がボロボロだし、家も店もなくなってる……」


これまでセントラルに幾度も出入りした事のあるタビーは何度目かの動揺を露わにし、朽ち果てたセントラルの前で呆然と立ち尽くす。


その傍らをすり抜けるように遊園地へと飛んでいくスカイフィッシュが、ボロボロの観覧車の前で何かを探るようにあちこちを覗き込む。

それを見たヤマタノオロチも何かを察したかのように、ゆっくりと観覧車に向かって歩き始める。


「何かあったか?」

「…………」


地上から声をかけられたスカイフィッシュが、今にも地面に落ちてしまいそうなボロボロのゴンドラの上から顔を覗かせるとふわりと地面に降り立つ。ヤマタノオロチに差し出した手には、小さな何かが握られている。


「飴?……ほう、か。しかしまた何故こんな所に……?」

「…………?…………!」

「ふむ……おい小童」


まるで至極普通の会話をしているかのように無言のスカイフィッシュに言葉を放つヤマタノオロチが、未だ呆然としているタビーに呼びかける。

ハッと放心状態から我に返ったタビーが振り向く。直後、その表情は一瞬でギョッとしたものへと変貌し、咄嗟の大声をあげる。


「おい!!!!」

「ん?何をいきなりでかい声を……」

「バカ!!後ろ!!後ろ見ろオォ!!!!」


あまりに鬼気迫る表情で叫ぶタビーに違和感を覚えた二人は、何事かと背後を振り返る。


「なっ……」


そこには、0と1の数字がバグが起きたかのように周囲を漂い


「…………!!??」


頭から白黒の羽根、全身から猫を思わせる鋭い爪、そしてサルのような巨大な耳と毛むくじゃらの手のような器官がデタラメかつ無数に生えた


「はやく逃げろおおおおお!!!!」


全身がドロドロに溶けている、見るもおぞましい怪物が


「@@@@○@@@@@%@@@@××@@@@@=@@」


まるで、挨拶でもするかのような奇妙な鳴き声をあげながら、音もなくにじり寄って来ていた。

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