第61話 竜球王国

 口の中へ入って1時間程、とある島の砂浜に吐き出された。


水竜「この先を道なりに進めば、珠里城がある。そこの姫に会うが良い。」


 そう言って海へと消えて行く。ちょいまて、こっちは両足がないだぞっと内心叫びながらもすでに二つBランク万能薬を持っている。

 意識を失っている二人が起きるのを待っていると、村人が来た。


村娘「はいさーい。」


 おい、ちょっ‼待て。はいさーいって全国大会で訪れた沖縄で聞いた言葉やないかい。イヤイヤイヤイヤ、偶然似た言葉だ。



村娘「マーカラ メンソーチャガ?」


 間違いない。沖縄の方言だ。しかしなぜだ?

 それにしても金髪のスレンダーな女性が沖縄の方言を言うなんて、違和感半端ねー。。


村娘「すいません。竜球語だとわからないよね。」


「いや。ここは?」


村娘「300年ほど前に、竜姫が作っ竜球王国」


 レレイが見つけた竜姫の日記、あれは本物だって事か…


「どこか休める場所はないか?」


村娘「私の家で良かったら」


「いいのか?見ず知らずの俺達を」


村娘「水竜が連れて来たのなら大丈夫さー。」


 どうやら水竜には人の心を見る力があり、危険な人は王国に入れないようだ。漂流流しに合った人達の中に、数人程ここで生活してる人もいるようだ。

 それよりも驚いたのが、この娘エルフだ。精霊魔法で、舟事俺達を浮かして家に運んでくれた。


「にへーでーびる。」


村娘「なんくるないさー。」


 沖縄の言葉でありがとうって言って見たら、少し驚いた顔をして返答がきた。


村娘「それよりも、今後どうするぅ?」


「水竜が姫に会えって言うてたから行ってみたいが、それよりもこの二人と話してからだな。」


 いまだに気絶してる二人とも話し合わないといけないだろう。暫くすると、二人とも目を覚ました。


「気がついたか?」


娘「はい。ここは…」


「竜球王国だそうだ。俺の名はクーヤン、世界を放浪してるとこカナータ伯爵に邪魔をされた。この借りを返すため明日から行動するつもりだ。」


 のんびり世界を放浪したかったが、さすがに売られた喧嘩は買わないと失礼だ。


娘「その身体で?」


「幸にも俺は万能薬Bを持っている。おまえ達も借りを返す気持ちがあるなら、奴隷契約を条件に万能薬Bを渡しても良い。」


ララ「お願いします。私はララ、彼女はルリー。」


 即答だった。二人に奴隷契約をしたあと万能薬Bを渡す。それを飲むとすぐに身体が治る。二人とも泣いて喜びながら、感謝の言葉を言ってきた。


ララ&ルリー「ありがとうございます。」


「気にするな。」


ルリー「クーヤンは飲まないの」


「俺は明日飲む。カナータ伯爵に対する憎悪を忘れな為に今日一日この身体で過ごす。」


 本当のところは明日にならないと、万能薬Bをつくれないだけである。

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