第7話:回想、悪役令嬢マーガレット

(渡辺!経験値送る時、前もって言ってくれ)

(倭子(わこ)でいいよ、宮本!何で?言わなきゃいけないの?)

(結構気持ち良いんだ)

(え?何言ってんの浅水(あそうず)!)

(声が漏れそうになるから・・・・恥ずかしいから・・・・)


(私も漏れてしまって、二人で呻くものだから教室で注目された)

(・・・・・変態!・・・・)

(おい!お前のせいだろ、風見なんかめちゃくちゃ白い目で見てたんだぜ)


(風見か・・・・)

(風見が何かあるのか?)

(2回目の転生の時の兄なんだ、私を罵詈雑言ののしった上、廃嫡してくれた)

(・・・〆るか?)

(別にお前と違って恨んでないから良い)

(・・・・・)

(黙るなよ宮本)


念話は、お昼休みにしていた、

へぇ~気持ちいいんだ・・・どんどん送ってやろうかな!

といじわる根性をだして、ニヤケながら窓の外を見ていた


「あの後、兄は来てくれたんだろうか?」

そうぼそりと言った私、


2番目の転生、前と打って変わって裕福な暮らしだったなぁ

でも、前世の記憶が戻ったのが、投獄後ってのはなぁ




投獄されてから、公爵令嬢のマーガレットはひたすら泣いていた、

流石にこの状況はまともな精神ではいられない、

そう思っていたら頭に突然違う人間の記憶が走馬灯のように流れて行った、2人分の記憶がいきなり流れて、目をまわしてそまつなベットに倒れこんだ。


一日中寝ていたらしい


「おい!・・・おい!飯だ」


日に一度のご飯が届いた


その声に起きると、頭ががんがんと痛かった、それでも、ごった煮シチューと堅いパンを受け取ると、黙々と食べた


「・・・今更記憶が戻ってもなぁ~」

痛い頭で色々考える・・・


「もぐもぐ、このまま行けば死刑か!」

公爵令嬢とは思えない鋭い目つきを暗闇の中に向ける

「くっそっくらえ!」


「!なんだ?誰だ?汚い言葉言ったのは」


檻番がキョロキョロする


食事の後、布と水桶を渡される、一応体を拭くためだ

いやらしい目つきで、檻番はこちらを見ている、

濡れた布をぶかぶかの囚人服の隙間から入れて拭く

残念そうにしている檻番をよく見ると


(麻薬か)

粉を鼻で吸っているのを見て思った、普通の箱入り公爵令嬢なら知らないだろうが、前世闇の世界で生きていた、私には解った、


兄が言っていたな、出所を掴めないと、何の出どころか今わかった・・・麻薬のことか

最近治安が悪くなってきて、外国の商人が増えたことに危機感を覚えると、書斎で父親と言っているのを聞いたな、そう思って眠りにつくために横になる、麻薬をやっている檻番のこともあるので、最上級の警戒をしながら眠った。


朝、何事もなく迎えたが、早々に訪問者が来た、兄だった


「マーガレット・・・お前を廃嫡する」

そのみじめな姿を見て顔をゆがめるのが分かった


「お兄様、・・・私はやっておりません、ちゃんとお調べください」


薄暗いので私の表情までは見えないだろう、

とても、どうでもいい顔をしていたと思う。


「まだ、そんなことを言うのか!証拠も揃ってる、家のメイドの証人もあっては、逃れようがないぞ!それよりも、貴族の、公爵令嬢 として恥ずかしくない態度をとれ!お前がそんな奴だったとは、」


メイドまでぐるか!その辺から調べれるかな?後宰相の二男と伯爵家の3男、男爵令嬢、名前なんだっけ?あの女、腹黒そうな・・・


そんなことを考えていたら

「聞いてるのか!お前は公爵家だけでなく、王家にも泥を塗ったんだっぞ!認めればお前だけで済むんだ!貴族令嬢として最後に誇りを持て、認めて謝罪しろ!」


やってないのにやったって言えって?馬鹿じゃない・・・


「えーと、誰でしたっけ?名前、男爵令嬢の、会ったの数回だし、名乗り上げていませんので名前知らないんです」


訝しげな表情の兄、


「・・・・知らない訳がないだろう!?散々いじめておいて」

「いつも、あなたとか、そちらの方とか言ってたので」

「何を言ってるんだ!ふざけてるのか!?」

「うーん、思い出せない、ところでお兄様は、宰相閣下二男の証拠の裏付けは取ってくださったんですよね・・」


「・・・疑いようのない書類だった」

「そうですか?慎重なお兄様らしくないですね、いつもは冤罪を防ぐんだって嫌ってほど裏付けを取ってらしたのに」


「・・・このまま行けば国外追放は免れないぞ」

「?何を仰ってるんですか?死刑でしょう・・・」

「死刑?なわけあるか、公爵令嬢だぞ」

「もう公爵令嬢ではありませんわ、先ほどお兄様から廃嫡すると言われました。そこに居る、記録係りがしっかりと記録してますわ」

「・・そんな」

「市井の者が貴族に攻撃をかけたら、死刑です」

「・・・そんな」

「お兄様、私は免罪で死刑になります、そのことは確かです、明日ですね裁判」


「で、・・・えっと名前なんでしたっけ?男爵令嬢の」



カーミラ・カルンスタイン男爵令嬢か、

吸血鬼によく使われないか?その名前


次の日行われた裁判で、


<被告人マーガレットを死刑とする、執行は明朝、日の出とともに行う、以上>


蒼白になっているのは、私に罪をなすりつけた、貴族令嬢と兄か。

夜を待って、逃げ出しますかね・・・体動くかな?


最後の衣装は母が差し入れてくれた、よく私が町に出る時着ていた町娘の衣装と靴。

囚人服で、抜け出すのに困っていたから助かった。

ついでに、短剣まで・・・死刑になる前に自分で命を絶てって事だろうが、有難いわ~これで殺せる!


目つきがもう、暗殺者の目になっていた。


遺書用にもらった便箋に

『私は免罪で死刑になるつもりはありません、疑いを晴らし、私を貶めたものに復讐します。』

と書いておいた。


ちょっと後ろめたいものは、怯えればいいのよ・・・殺すのは・・・3人だけ


ヘアピンを出し、足の枷の鍵を外す、らりってる檻番を殺し、腰の鍵で檻を開ける

返り血を、桶の水で洗い流すと、着替えて


外に出た、此処の牢屋は私だけだったらしく入口に二人の番人が居たが、気づかれずに出れた

油断し過ぎじゃない?そう思って、

そのまま闇に消えた。


次の日の朝、檻番の死体と枷の横のヘアピン、脱ぎ捨てられた返り血のついた囚人服

そ して手紙、誰もまさかまさかと思い、恐怖した


顔や髪を汚せばだれも、公爵令嬢に気づかない、証拠はすぐに見つかった

「何で、兄~見つけられないんだ?圧力でもあったのかな?」


騎士団の詰所の鍵のかかった種類棚、ちょちょいと鍵を開けて国府に届ける書類に証拠を混ぜておいた


そして、男爵家に行く


「ちょっと!どういうう事よ!逃げたって?檻番を殺して?ウソでしょう?」

ぶつぶつ部屋を右往左往して言うカーミラ


『そのままの通りよ!殺して檻から出て来たの』

振り返ると部屋の隅に人が立っていた

「誰?護衛はどうしたの?」

『殺してないわ、動けなくしただけ、殺すのはこの屋敷ではあなただけ』


カーミラの方に歩いてきた人を見て真っ青になった。


「マーガレット様」


「どうして、出てこれたの?」

「昔はお転婆だったのよ・・・人を殺したのは久しぶり・・・18年ぶり?生まれる前だから違うか・・・」

「何を言ってるのよ」

さっきから紐を引いてベルを鳴らしているカーミラ

「何してるの?誰も来ないわよ」

「え?」

「この屋敷の人は全員動けなくして、食堂に皆括(くく)ってあるからね、大丈夫よ怪我はしてるけど死んでないわ」


「なんで、そんな力が・・・」

「昔(前世)殺し屋してたのよ・・・」

「ひっ」

殺気を放つ、尻餅を付くカーミラ

「凄いわね、隣国のスパイ?麻薬の輸入?子供の誘拐に奴隷販売?」

ほんの1日で出てくるわ出てくるわ~どうして、兄!何故見つけられなかったんだ、無能と思いたくないが、やはり無能なのか・・・


後宰相の二男と伯爵家の3男も麻薬密売してた、跡継ぎになれないからって犯罪に手を染めるとは・・・


「いくら欲しいの?金貨100枚ならここにあるわ」

「要らないかな?あなたの命以外」

「ひっ」


首に椅子に掛けられていたブランケットをカーミラの首に巻く


「・・・さようなら」

ざしゅっ

カーミラのまかれたブランケットが血に染まる

言葉を発する時間も無かった。


「男爵達も、捕まって すぐにあなたの元に行くと思うわよ」


そう言って後宰相の二男と伯爵家の3男の元に行き、同じように首をかき切った


公爵令嬢を指名手配したが、捕まることは無かった、公爵家を断罪する声は高まったが、国府に紛れていた書類が見つかり、その声は逆に恐怖に変わる、いつ自分の元に公爵令嬢が来て、剣を突き立てられるか怖かったのだ、


第二王子と兄も眠れぬ日々が続いていたらしい



数年がたち、私は病に侵されていた


「私が死んだらこれを兄に」

そういって、店の下男に言づけた


国境を越え、帝国の首都に着くと力尽き道端で倒れていた

そこを救ってくれたのは高級娼館のおかみさん、最初は下女として娼婦の皆の世話をしていた

そのうち、私を見た貴族の一人が指名してきて断れなくて、そのまま娼婦として働いた、夜の相手はそれほどしていない、エロのスキルは上がったと思うが、言葉巧みにお金を搾り取ってやった。

酔わして寝かしつけたり。いけすかない奴はさっさと追い出した。


病気が分かったのは、悪徳商人を暗殺して帰って来てからだった、

あくどい貴族や商人の情報は同じ貴族や商人からどんどん集まる

そこで、どうしようも無い奴を暗殺して来た、

そろそろ、ばれそうでやばいと思っていた時に病気になった


兄にはこう書いた

「お兄様お元気でしょうか?

私は残念ながら命の灯しびは消えてしまいました。

これをお読みになって居る時はもう私はこの世におりません。

私の名誉を回復していただきありがとうございます、第二王子様よりお聞きしました。

先日私の勤める娼館においでになり、私だと気づくと色々お話ししてくださいました。


不詳 の妹ですが、お墓はおじい様とお婆さまの隣に眠りたいと思います。

ご無理とは思いますが私の遺骨を取りに来ていただけませんか?

どうそ、よろしくお願い致します。


追伸;娼館の情報で、国に害をなすであろう人たちの情報もお送りします。

鵜呑みにされず、私の情報をよくお調べになり活用ください。」



「兄は遺骨を取りに来てくれただろうか?」


そう呟くと


「誰の遺骨だって?」


ハッと見ると、そこにはAクラスの風見が居た。


昼休みも終わりがけの頃、私のクラスにAクラスの風見が、現れた

「何が用ですか?」

「いや、君に振られた二人の様子が可笑しいので気になってね」

「もう、私には関係ないことです」


「水と油のような二人がつるんでいて、君との事件以来、自己中が成りを潜めた浅水と、

暗くて表情か乏しい宮本が、二人で笑って居るんだ、可笑しいだろう?」

「・・・私は振っただけです」

「それに、今日あいつらの周りでエネギーが高まって、うめき声を出していたんだ」

「うわっきもいですね」

「そのエネルギーの気配が、君の周りに渦巻く気とよく似ている」

「・・・・」


キーンコーンカンコーン


休み時間終わりの鐘が鳴る


「また、いずれ正体を明かしてもらうよ、それと念話は波動があるので、波動を制限するようにしたほうがいい、誰としてたか知らないけど、念話は風魔法では出来ないよ、じゃね」


そう言って、クラスを出て行った


放課後、西田が近づいて来て言った

「渡辺、Aクラスに知り合い多いな」

「・・・いや、知り合いじゃないし」

「昼に来てたの、生徒会の誘いを断った、風見だろ?」

「え?有名なの?」

「有名!Sクラスに2番目に近い男」

「1番目は?」

「…浅水あそうず

「あ・・・そうでしたね」

「渡辺、おまえ目立ちたくないみたいだけど、お前も十分有名人だから、変なやつに目付けられない様にしろよ」

「・・・あ、ありがとう」


西田-前世;聖女

女だったんだ・・・



風見の訪問から暫くして、魔力交換が必要な時期になった


「なんで、手つなぎ?」

そう言ったのは宮本

ベットを背もたれにクッションを挟んで床の絨毯に座る3人

「手繋ぎでも出来るんだからいいじゃない、時間掛かるけど、・・・・・始めたら手が離れなくなるのは誤算だわ」

「両手に花と言うではないか、倭子わこの意思に従うが、でもやはり口がよかった」

「なにげにさらっと欲望言うとは、本当に・・・でも狭い私の部屋でなくても、どっちかの広い部屋に移転しても良かったのに」

「・・・・」

「なに?」

「この部屋は居心地が良い、落ち着くし倭子(わこ)、の臭いがする」

「変態発言ありがとう・・・全くもう恥ずかしいじゃない」

「今日は男言葉じゃないな」

「気分だって言ったでしょう?」


「そうそ、倭子(わこ)、風見の事気にしてたろう?」

「ん?まあね、私が死ん後どうなったか気になって」

「聞いてきた・・」

「え?ちょっと、大丈夫なの?」

「大丈夫だと思う」


宮本が気を聞かせてくれたようだ、でも結構鋭い風見がヘンに思わなかっただろうか

ちょっと心配・・・






兄目線


頑として自分はやって無いと言う妹、

第二王子から、自白させろと言われてきたが、妹の反論に遇も出なくなった、

自分で裏付けを取って居なかったからである、王子に振り回せれ時間が無かった、

それが言い訳にもならないが、公爵令嬢なのだから国外追放だろう、隣国の知り合いの貴族に預かって貰おう


そう思っていたら、

「廃嫡されたのですから、死刑でしょう?」

まるで、他人事の様に言う妹に唖然とした、

廃嫡も王子からだ、あの女に入れ知恵されいるのは確かだった

何と言う愚かな・・・自分の愚かさに、身震いした。


記録係に引きずるように牢から連れ出され、どうやって家に帰ったか覚えていない。


家に帰ってそのような事を呆然と言った気がする。

母親の悲鳴が聞こえた、父の罵倒が聞こえた、メイドの無く声が、従者の壁を叩く音が

そのどさくさに参れて、メイドと従者数人が屋敷から消えたのに気が付いたのは

宰相の二男が殺されたのを聞いた頃だった。


何時間、屋敷に嗚咽と怒号が聞こえていただろう

静かになった母を見ると、何か準備をしている

蔵の方に行って何かもって来たようだ。


「母上?何を・・・」

「囚人服じゃかわいそうだわ、こうゆう差し入れは 大丈夫よね」

「大丈夫ですが・・・それはダメかと」

蔵から持ってきた、古そうな短剣を見て言う

「これは、私たちの血筋の人間じゃないと見えないし使えないのよ、<勇者の短剣>」

父は婿養子だ

「死ねと言うおつもりですか?」

「そんなわけないでしょう?あの子はすばしっこいのよ!気配消すのも上手いし、短剣は訓練してたでしょう?鍵開けも得意よ!」

「脱獄を勧めるのですか?」

「免罪よ!あの子がするわけないじゃない、王子の事嫌いなのに、こんな事なら家名返上しても破談にすべきだったわ!能無し王子め!」

「は、母上?!」


そう言えば小さい時家じゅうの鍵を、ヘアピン1本で開けまくって怒られてたっけ

短剣も、護衛相手に6歳の子が相手を翻ろうしてた。た


短剣を取り鞘から抜こうとした・・・

「抜けないでしょう?それは選ばれた者しか抜けないの、マーガレットは小さい時抜いてたわ」

「・・・母上が抜いてたの見たことある気が・・・」

「マーガレットがお腹に来たら抜けなくなったのよ」



裁判の後、マーガレットは脱獄した、躊躇なく檻番を殺してた・・・

身震いした、私も殺されるそう思った。

でも、宰相の二男が殺された後、来たのは居なくなったメイドと従者の不正の証拠。


そして、私も結婚して子供が出来、母と父の具合が悪くなった頃

妹から手紙が来た、死んだと・・・


隣国帝都の娼館に行った。

高級娼館だけあって、上品な外観に品のいい女たち、

渡されたのは、小さい壺に入った遺骨と、対照的に大量の書類。


「お兄様と、ご両親の事を常に思っておいででしたよ」

私は泣いた、人目もはばからず泣いた。


母と父は壺を抱きしめて泣いた、糸が切れ様に二人はその後しばらくして追うように亡くなった。

祖父母と両親その間に妹の墓を作った。


その後、大量の書類は、貴族や商人の不正の数々、国家を揺るがす大スキャンダルだった。

第二王子はとっくの昔に、臣下に下っていて、第一王子と王はその身分をはく奪、離宮に隔離


マーガレットが進めた、王の妾の子第8王子を王に付けた、宰相も人格者が選ばれ、私は一仕事終えるとまた、騎士団長に戻った。


第8王子は本当に優秀で、宰相と共に国の繁栄に貢献した、

国は栄、私は年老いて子と孫に囲まれて死んだ。


心残りは、妹に名誉回復の報告を直に出来なかったこと、

彼女は勇者だったと思う、彼女のおかげで、我が国と、彼女の居た帝国は繁栄した


渡辺に、申し訳なかったと、そしてありがとうと伝えてくれ

一度面と向かって話しがたい





「おい!ばれてるじゃないか!宮本~」





浅水あそうずの事件で倭子を教室に見に行ったらしい、その時もしやと思ったって」

「・・・はぁ・・・」

「転生が1回だけじゃないことも知ってたよ、誰か他にも居るみたいだ」

「そなたもそうだしな」

「ああ、風見の事で思い出した事がある」


「なに?」

「風見が<勇者の短剣>の話をしただろう?その世界にも勇者と魔王が居たんだ」

「そんな事は無いと思うよ、魔法も無かったし」

「妹が暗殺したものの中に魔王が居たらしいって言ってた、

聖魔国って言う国があったんだろう?その国の王が暗殺されたらしい、帝国に侵攻中に村々を略奪中、殺されたってそれで聖魔国は後退して、その派兵が原因で衰退していったって」

「ああ、そう言えば聖魔国の王の事<魔王>って言われて・・・・村を襲っていた軍隊のトップらしき奴を・・・・確かにに殺したけど・・・あれが魔王で、私が勇者・・・<勇者の短剣>選ばれしもののみが抜くことの出来る・・・って勇者あるあるだね・・・」

「それと、”なな”も多分勇者だと思う」


「え?」


「”なな”の出自が解ったんだ死後、

公爵家攻撃は実は中止命令が出ていたんだ、伝令が間に合わなかった。

”なな”は辺境伯爵の長女、代々子は騎士として王に使える家系、伝説の勇者の子孫と言われている由緒正しい貴族だ、その家に伝わる<勇者のショートソード>が忽然と消えたらしい」

「・・・ショートソード拾ったね、岩に刺さってた皆抜けなかったのに私は抜けたね」

「魔王も暗殺されてた、覚えているか?いきなりあいつは殺さなくてはいけないと、命令されてない相手を暗殺しただろう?」

「・・・魔王だったの?」

「皇魔国の第一王子だったらしい、残虐非道で有名だったらしいよ」


「全て勇者だったんだ私・・・」

「え?」

「3回目からは鑑定魔法が使えたからね、皆<勇者>の称号が付いていたわ」

「すべての魔王を殺したのか?」

浅水がこちらを見る

「あなた以外全て殺したことになるね」


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