第5話:天変地異攻略

あれから宮本の接触は無い

しかし、平和とはいかなかった・・・

あいつ、素直に私に振られたと言ったらしい

それでまた、22組見学者が増えた・・・・


静かな窓際生活が~



今日は、休日バイトも休み、商店街に出かけてる


どうして、アイツら私の後を付けてるんだ?

生徒会の実行委員の数人に尾行されてる


しかし,下手くそな尾行だな、男子だな・・・

よし下着売り場に行こうっと・・・るんっ


新しい下着と、ナイトドレス(いやらしくないよ)を買って

次は小物の店、化粧品を見て、試供品を付けてみる

あの,麗子がくれたバレッタから、

おしゃれを思い出した私は、結構最近アクセサリーを買っている


居なくなってるな

下着売り場に結構長い時間居たから、帰ったかな?

お昼になったので、港町に向かう


がらがら

食堂の戸を開けると、バイト先の店に入った、店は賑わっている

「あれ?倭子ちゃん今日は?」

「今日はお客できました!海鮮盛り1つお願いします」

「分かった!美味しいの作るよ~」


私は座敷のテーブルに座る、そこからの港の景色が好きだった


「相席よろしいですか?」

ふと見ると、副会長が目の前に居た

気配消してきやがったな!尾行はこいつの指示か?


「・・・どうぞ」

「ここバイト先ですよね、でも毎週では無い、他の時はどちらに?」

「尋問ですか?」

「いえいえ、興味があっただけですよ」


「倭子ちゃん今日は潜らないのかい?」

「うん、今日はお休みもらったの、おじさん昼間っから飲んじゃダメよ、肝臓またやられるよ」

笑顔で答える


「笑うんだ・・・」

「楽しいから笑うの当たり前でしょう?」

何だコイツ、何考えてんだ?


「学校では笑ったところ見たことないけど」

「学校の何処が楽しいの?」

何?観察されてた?きもいんですけど・・・


「・・・・俺と付き合わないか・」

「・・・・断る!」

掌を相手に向けて、手を出して断った


何考えてんだ~



「理由を聞いても良いか?」

「興味が無い、趣味じゃない、射程圏外、どちらかと言えば嫌い」

「・・・・」

「それに、誰とも付き合うつもりは無い!食堂に用が無いのなら、出て行ってもらえないか?混んでるのに迷惑だ」

「男口調なのは、わざとか?」

「気分だ」


ガラガラと食堂の戸が開いて、また厄介のが来た

「おい!真田(さなだ)抜け駆けはずるいぞ」

そう言って入って来たのは、頼朝(よりとも)生徒会長だった、

後ろからもう一人の副会長、武田(たけだ)

「宮本?入らないのか?」

外に宮本(みやもと)も居るみたいだ

「俺は外で待ってるよ」

「気まずいか?解った」


そう言って

二人は入って来た

「あんたら、何しに来た?食べないのなら帰れ!」

「すぐ帰るよ、君に告白したら」

「・・・・何を?」

「君のことが気に入った!付き合ってくれないか?」

「おい!俺も、あんたが気に入った!是非俺と付き合ってくれ」


「悪いが、真田先輩に言ったのと同じだ!

興味が無い、趣味じゃない、射程圏外、どちらかと言えば嫌い、

、誰とも付き合うつもりは無い!食堂に用が無いのなら、出て行ってもらえないか?混んでるのに迷惑だ!以上失せろ!」


「倭子ちゃんお待たせ」

「ありがとう~」

ぱあぁと、それまで険しい顔をしていた倭子が明るい顔になった、皆その顔を見て頬を赤くしていた


「先輩方、いい加減にしてくれませんかね、本当に迷惑なんで」

そう言って海鮮丼を食べ始めた


倭子(わこ)が海鮮丼を食べて居る所をじっと見ている3人

「何?早く失せてください」

「幸せそうだな・・・可愛い」

「・・・・美味しいもの食べたら幸せに決まってるじゃないですか?、孤児院や施設じゃ栄養的なモノばかりで、薄味だったし、私の至福の時を邪魔しないでください!それに可愛くありません」

本当に何なんだこの人たちは、人の迷惑も考えずに


「渡辺・・・」

「!」


実はずっと周りから、生徒会面々に同情の目が注がれて居る事に、3人はやっと気が付いた。

「えーと」

「気に病むな、倭子(わこ)ちゃんはそう言うう奴だ、諦めろ」

おじさんが言う


ウ・ウー~


サイレンが鳴り響く

生徒会の面々の携帯が鳴る


<空間異常感知、関係者は至急部署に異動してください、第一戦闘配備!>

<空間異常感知、関係者は至急部署に異動してください、第一戦闘配備!>

<空間異常感知、関係者は至急部署に異動してください、第一戦闘配備!>


「頼朝!」

Sクラスの3人は移転魔石でその場所から消えた


サイレンは鳴り響いている


食堂に来ていたお客もほとんどが出て行った。


「倭子ちゃん・・・」

「おじさん、お願いできるかな?」

「解った、でも何時か倭子ちゃんの正体教えてくれよ」


座敷に横になる倭子

倭子の周りに魂の光が5つ表れ、外に飛んで行った。

ブランケットを倭子に掛けて、見守るおじさん達


今回は世界で、3箇所に発生していた。

倭子の魂は空間異状の現場に向かう、2つは総司令部に向かっていった。


倭子の光の1つが現場に到着する、現場はアメリカ、ネバダ州人の殆ど居ない砂漠

地球自体が、異世界からの攻撃に対し、補正を掛けていて、なるべく生き物の少ない地域に追いやっているのだ、そこで砂漠や、高山に現れることが多い、いくつかの高い山はもう跡形もなくなっている、砂漠もクレーターだらけだ。


倭子が付いてしばらくすると、アメリカ軍中心の同盟軍と学園Sクラスの数人が移転魔石で移動してくる。指揮は日本の某所地下にある司令部が行う。


空中に現れている魔法陣、軍はそれに向かって攻撃を開始する

その間に、Sクラスの面々はそれぞれ攻撃魔法陣を組むのだ。


徐々に現れる黒い塊、悪意しか感じないその塊を、魔法陣から完全に出ないうちに破壊しなければいけない、、

塊まりから、雷がバリバリ同盟軍に放たれる、防御魔法を軍の特殊能力者達が張っており、それを防いでいたが、完全に防ぎきれず、戦車が爆発した。


『防ぎきれません!』

アメリカ軍の特殊能力者達は言った、何人か負傷して防御出来なくなっていた。

総司令部から

『Sクラスの連中を防御に回せ』

『しかし!攻撃の威力が落ちます!時間がかかると、被害が拡大します!』

『Sクラスの被害は考えなくていい、変えは3000人居るからな、軍を守れ命令だ!』

『・・・・・解りました』


複雑な顔のアメリカ軍の前線司令官、やり取りはSクラスの皆には伝わって居ないが、

しっかりと聞いていたのが、倭子の魂、光っていた魂が黒くよどんで行く。


5人中2人も防御に回されたら、攻撃が半減以下になる、それでも攻撃は始まった

魔法陣が完成して攻撃が開始される、倭子の魂が無詠唱でその攻撃の前に新たな魔法陣を展開!攻撃が一気に10倍に膨れ上がった。


5人の攻撃なら一発で終わったであろう、破壊攻撃は3回続いた、最後は殆ど魔力切れで威力は半減して板であろう、どうにか悪意の塊の破壊に成功した、何時もは無傷のSクラスの面々所々、雷によるやけどが見えた。


『いつも現れる、誰が展開したか解らない魔法陣、何時もと色が違っていたな、でも助かった、子供達が無事でよかった・・・』

そうアメリカ軍の前線司令官は胸をなでおろした。







総司令部の空気が変わったのは


『Sクラスの損害は考えなくていい、替えが3000人居るんだからな』

と言う言葉を発してから。


そのやり取りを聞いていた二人の生徒が居た

「榊原(さかきばら)さん、私達は使い捨ての駒ですか!?」

そう聞いたのは、元生徒会長で3年Sクラスの、真田幸雄だった、現会長の兄である。

「君らは別だよ.優秀な人間はそれには該当しない」

「私たちのことを何だと思っているんですか!?」

怒りをあらわにしたのは、同じく元副会長の、高坂鈴音(すずね)


二人は怒りが収まらなくて、震えていた


《何時ものアンノウンからの通信で・・・・》

オペレーターが途中で言葉を止めた


司令室が冷えていく、息が白く、凍っていく


「逆探知しとけ」


《今回の作戦指示した馬鹿はどいつだ!》

スピーカーから低い男の声がする


「なんか、何時もと違う、何時もは好青年風だったのに」

オペレーターの女性がつぶやいた

「寒い」


床が壁が天井が凍っていく


16年ほど前から未知(アンノウン)の通信が来ていた、

天変地異の本当の正体や、目的対策などアドバイスしていたアンノウン、

それが、今回様子が可笑しい


「逆探知・・・」

「どうした、解ったのか?」

「此処です、通信元はこの司令室」

「何?仲間に居たのか?」

「違います・・・これは魔法?」


空中に光る球体が現れる

《お前か》

光る球体が黒い霧に包まれるそれがどんどん大きくなり、霧が恐ろしい悪魔のような顔に変わる


「魔王!」


そう言ったのは鈴音だった


バリバリっと青い火花が散ると落ちた所に氷柱が出きる

榊原の方に向かっていき榊原の近くで爆発した

榊原は吹き飛び壁にぶつかる、いくつもの氷の刃が手足に刺さるのが見えた


「うわぁ~」


悲鳴を上げる榊原、


空中に黒い霧をまとった赤い剣と

金色に輝く、美しい剣が現れる


《Sクラスは、替えが効くから、被害が出ても良い?ふざけたことをぬかしたのはお前だな!》

低くおどろおどろしい声だった


壁で痛みに耐えながら恐怖する司令官の榊原、

剣が2振り同時に榊原に向かって行った


ざくっ!と刺さった、顔の横すれすれに、榊原は股間をぬらしていた


「助けてくれ・・・もう言わない・・・助けてくれ・・・悪かった・・・助けて」

榊原は気絶した


2振りの剣は空中に浮かび上がる

《これから、向こうも強度を上げてくる、Sクラスや軍人にに被害が出ないために、能力者の人数を増やしたほうが良い、こいつは司令官として、不能!再度発言に注意しろ!今度は殺すぞ》


そう言って、丸い球体と剣が消えた


凍っていた司令室が徐々に暖かさが戻ってきていた


”勇者アーサー系の転生者”真田が

「あの、光る剣は<勇者アーサーの聖剣エクスカリバー>に間違いない」

”勇者カイン系の転生者”鈴音が

「あの魔剣は<勇者カインが倒した魔王の魔剣グラム>勇者が持ち帰ったはず」


「そしてあの、おどろおどろしい魔力、感じたことのない力、魔王なのは確かよね」

「そうだな、魔王だ・・・しかし魔王は聖剣を使えないはず・・・」

「でも、あの言動、Sクラスを使い捨て扱いしたことに怒って、ということよね・・・」

「どういうことだ、今世界にも魔王が居るということか?」


今回の戦いで軍人死者8名負傷者30名

Sクラス出撃した15人全員負傷、内3名重症

今までに無い被害が出ていた。


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