冒険者になりましょう


ノーマと別れ、しばらく街を歩いていると色々な店が目に入ってくる。こういう異世界の街では定番の武器屋に防具屋、万事屋に魔法道具を扱う店もあった。


店を見ながら道に沿って歩いていると他の建物より一回り大きい建物が現れた


『なぁ、あれってなんだ?』

『あれは冒険者ギルドです。冒険者ギルドと言うのは薬草の採取、猫探しからドラゴンの討伐など何でもござれと言う言わば便利屋ですね。これには特に必要とされるものはほとんどないですからまずはあそこに入って冒険者になっては良いのではないですか?』

『あぁ、そうだな、良いアイデアだ。入ることにするよ』


異世界ものと言えばまずは冒険者ギルドに入らないとな!


そのまま道を進み冒険者ギルドに入る。


ギルドに入るとギルドカウンターらしき場所に向かって歩いて行く。

すると一人のゴロツキ風の装備を身にまとった男が話しかけてきた。


「おい!兄ちゃんよぉ、新入りかぁ?」

「あぁ冒険者になりに来た。何か問題でも?」

「あぁやめとけやめとけ!今ぁ鬼教官が試験してっから並の人間じゃあ入れねぇよ。」

「忠告ありがとう。でも、どうしても入りたいから、行ってくるわ」


見た目に寄らずこいつ良い奴なのかもな、忠告なんてしてくれるほどだし。

いや、ただ本当の事を言っているだけか?


「おぅ勝手にすればいいさ。くれぐれも怒らせんなよ、死ぬぞ?」

「大丈夫さ多分…」


死ぬって……マジかよ。あんなこと言わなければよかった。

どうしましょう。マジでどうしましょう。


『どうしました?あまり元気が無さそうですが』

『うん。この世界に来てから最初で最後の後悔をしてる』

『大丈夫ですよ!あなたは私と同じ位強くなっているのですから』

『異世界の人間は大体人間辞めてるやつばっかなんだよジョジョ』

『ジョジョって誰ですか!大体あなたも人間辞めてるじゃないですか!』

『はぁぁ、じゃあ死にに行きますか……』

『だから死にません!私の力を信用してくださいよ!!』


なんだかんだ言いながら結局ギルドカウンターまで来てしまった。

そこにはバーテンダーのような男と花で例えるならば薔薇が似合う女性がいた

俺は迷わず━━━男の方に行った。初対面ですら話せないのに

初対面+女の人なんて話せる要素がない。


「ご要件は?」

「冒険者になりたいのですが」

「でしたら手数料として銀貨3枚いただきます」


そう言われると俺は銀貨3枚をカウンターに置いた

銀貨はここに来る前にモンスター専用の買取店にチキンランナーをうって手に入れた。

━━買取店のおっちゃんに鳥人間を渡したらかなり驚かれた。

そのため現在手持ちは金貨2枚と銀貨2枚だ。チキンランナーを一羽食べてしまったがチキンランナーの羽根は装飾や魔術に使う事が多いようで意外に高く、銀貨5枚で売れた。


「では、これから試験を行います。右手へ進むと訓練所がありますので、そこで試験を受けてください。」


言われるがまま進むと案山子のような物が1箇所に固まって立っていた。

真ん中にはアニメの龍の玉で嘔吐物の様な名前の博士に作られた人造人間のゲームに使われた会場みたいな物がある。

その会場の真ん中に普通の人より一回り大きい男が立っていた。


「俺が試験官の時に来たのは久々だな。よし!気に入った、早速お前の実力を見せてみろ」


気に入られたよ…てかあんなゴリラみたいのに勝てるわけない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る