お馬鹿な璃々子(1)
身支度にこんなに時間をかけるのは久しぶりだった。
ファッション誌を破ってフローリングの床に数枚並べる。
服が山積みになったベッドの横で靴を履いた璃々子は鏡を覗き込む。
いまいちだ。
でもこのシルバーのヒールは今1番のお気に入りで是非とも履いて行きたい。
とすると靴に合わせて服を変えなければ。
いや服だけじゃない、バックもスカーフも何もかもだ。
待ち合わせの時間まであと4時間。
大丈夫。
時間はまだまだある。
服が決まったら、この前買った1枚2000円するシートパックをしてメイクして髪をセットして一服する時間もある。
今晩、いよいよRenと会うのだ。
待ち合わせの場所はRenが渋谷のハチ公前でと指定してきた。
Ren:頑張って璃々子さんをエスコートします!
ラインでRenは璃々子に色々と好みを聞いてきた。
Renはどんな店に連れていってくれるんだろう。
そしてその店の後は。
ふと身につけている下着が気になった。
まさか会ったその日になんて、そんなことしたら軽い女だと思われる。
黒いレースをあしらった下着は若干くたびれてきていた。
でも万が一酔った勢いでとか、いや酔わなくてもそんな感じになるかも知れない。
もしそうなってRenがこの下着を見たらどう思うだろう。
でも逆にばりばりの勝負下着もまるで期待していたみたいで微妙だ。
待ち合わせの時間まであと4時間。
大丈夫時間はまだまだある。
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