11月14日 冬の足音

 つい数日前までは夏日になろうかという気温で汗ばむほどだったのに、今週に入って上着が手放せない日が続いている。

 今朝の集合場所でも、「寒いねー」という会話が飛び交っていた。


 そして、いつものように登校班を見送って、校門前で旗持ちをしていると、三年生のシリちゃんが私を見るなり駆け寄ってくる。

「えっ!? なに、なに?」

 身構える私の右手を、彼女の両手で包み、

「あー、あったかーい」と笑う。

 そこへやってきた友達の子に、

「ほら、あったかいよ」と右手を差し出した。

 その子も両手で触って「ほんとだー」と言ったけれど、

「いや、こっちの方があったかいよ」と友達の子の手を左手で指さすと、シリちゃんが確かめて「ほんとだー」


 結局、一番暖かいと認定された友達の手を、シリちゃんが両手で包みながら校門の中へと消えていきました。

 もうすぐ冬だね。

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