ボツ・ストラトゥムカルパーテルミヌス
Uzin
序章
プロローグ~創世神誕生~
東京都内のとある地下鉄の電車内、時刻は夕方で仕事先から帰り始める人たちが増え始めるころ、それは起こった。
いつも通りに仕事を終え定時で仕事場から帰宅途中の彼が急に消えた。
しかし、周囲にいた人たちはそれに気づいていないのか。人一人が消えたというのに何も反応を示さずに電車に揺られていた。
彼が保有する魂力が規定値の5億に達したため、この世界のシステムは彼に神格化プログラムを適応。彼が急に居なくなった事による影響を無くすため、彼の今まで痕跡を全て消し去ったのである。
彼の持つ所有物から、彼が今まで関わってきた人たちの記憶からも。
彼には神格化が施され必要な知識を与えられ、この地域の管理神天照大御神の下に召喚されたのであった。
そこで「儘」と言う神名と新しい世界を創造する仕事を割り振られるのであった。
「と言う訳で、貴方には新しい世界を創造してもらいます。」
そこにはジャージ姿で3面モニターの前に座り、PCゲームに興じている引き籠りの神様の姿あった。
因みにMMORPGである。
因みにガチプレイヤーである。
そんな彼女の姿を最初に見た時の彼の感想は「ウーワー」であった。
「はー、まー概ね理解しましたが・・・」
この世界に適用されている神格化システムにより、神として活動できるだけの力と知識を与えられ、これからの仕事を目の前のジャージ姿の神様から言い渡された彼だが、何とも言えない表情をしていた。
「大丈夫大丈夫、今はまだ実感が湧かないでしょうけど、貴方にはそれを為すだけの力は与えられているから。」
そう言いつつも彼の神の視線はモニターに向けられている。
「・・・、そうですね~。なんというか、全能感?と言うのでしょうか、何でもできそうな感じはしていますね。でも、そんな感じがするってだけかもしれませんし。」
「実際に力を行使すれば、実感できるわよ。フヒ、私のなりたての頃もそんな感じで困惑してたな~。」
見た目こそ麗しいのだが、今の格好や時々出てくるオタクのような言動で、残念な印象になってしまっている彼女。
彼が微妙な表情をしているのは、なにも神格化した実感がないだけではなかったのである。
「取り合えず、私から伝えるべきことは全部伝えたから、すぐにでも仕事に取り掛かってくれる?」
「解りました。」
こうして、何とも締まらない会話だったが新しく創世神が生れたのであった。
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