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「っぷはぁぁぁぁ」

 んんんんん~~~!! 風呂上がりのビールってなんでこんなに美味いんだろうかっ! この世の中で牛乳と肩を並べるくらいに、風呂上りにピッタリの飲み物だ。この一杯の為に身体を温めて来たと言っても過言ではない。いや、過言か。

「あー、美味い」

 火も水も使わずに指一本で完成のおつまみたち。こんなに簡単なのにこれだけ満足できるのだから凄いことだ。

 文明の利器を使えば枝豆だってレンジでチン。揚げ出し豆腐も角煮もボタン一つで出来上がる。

どんどん世の中は便利になるな。AIだって進化しているし、そのうち機械が意思を持って世界を壊すなんてことになるかも・・・なんて。今見ている映画の影響受けすぎか。だいたいレンジくらいでは世界を揺るがすことなんて出来ないだろうに。

「っし、次」

 エンドロールを流しながらほんの少しの洗い物をして冷蔵庫を開ける。本日最後の一本。デザートに残しておいたのは抹茶の酒と甘いイチゴ大福、それからスパイ映画だ。

「あー、これ美味い」

 鮮やかな緑のボトルが目を引いてつい衝動買いしてしまった抹茶リキュール。某有名店から出されているだけあって、癖が無くて万人受けしそうな感じ。ちょっとインパクトが足りないから店では出さないけど、牛乳で割ったら女性とか好きそう。

「あぁぁ、イチゴあまっ」

 抹茶リキュールと大粒のイチゴの入った大福のマリアージュ・・・お口の中が幸せの嵐や~。

 やわもち求肥の中に甘いイチゴと生クリーム、小豆、スポンジケーキ・・・イチゴのショートケーキとはまた違うこの美味しさよ・・・やっぱり買ってよかった。カロリーとか気にしてちゃダメだ。明日から本気出す。

「あ~さっこう」

 美味い酒に甘い物、それから大好きな映画。この為に仕事しているって言っても過言じゃぁない。こっちは本当に。

「明日からも仕事頑張れるわ」

 誰がその頑張りを褒めてくれなくても、俺自身がこの為に頑張れるから。この至高の時間の為に。

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