第2話 デスゲーム

っ!


目が覚める。意識がしっかりある。

「あれ・・・・僕あの時トラックに轢かれて・・」

そうだ。僕は確実にあの時トラックに轢かれ、死んだ。

でもなぜ無傷なんだ・・・・

辺りを見渡す。

雲の・・・・上・・?

周りは霧の様なもので覆われよく見えない。

とりあえず歩いてみると・・

「人・・?」

そう人だ。嫌、人の様な影が見える。

「しかも1人じゃない?」

そう、その影が複数見えるのだ。

影の正体を見る為近寄る。

すると霧が晴れあるものが見えてきた。

デジタル時計だ。

とても巨大なデジタル時計。映画館のスクリーンの様だ。

時刻は4月10日午前0時を指している。

本来の目的を思い出す。

「人影はっ!」

まだ霧がかかり見えない。しかし人ということはシルエット的にほぼ100パーセントだろう。

人は全員で5人。自分を含め6人だ。

男か女かはわからない。






「最後の1人がきた様だね」






声が聞こえ僕は再び目線を時計に戻す。

そこには大きなモニターが浮いており、少年の顔が写っていた。

少年は僕達6人に向かって話し始める。

「やぁこんにちわ、死者のみなさん。初めまして」

誰だ?恐らくここにいた全員がそう思っただろう。


「神です」


にこやかに少年が言う。

は?神?

どう言うことだ?

周りがガヤガヤとなる。姿を見えないが声は聞こえる様だ。

「あー言いたい事は後で全部聞くからまずは僕の話を聞いてほしいなー」

周囲が静まる。

「ありがとう。じゃあ説明するね」

「知っての通り君たちは4月9日に惜しくも亡くなってしまった。しかし、君たちの死ぬ前の頼み、いわゆる『神頼み』て言う奴だね。それをいくつか叶えてあげたんだ。その中で生きたいと願ったのが君たちなんだ」

そうかやはりここは天国なのかそんな事を思っていると

「だから僕は君たちを生き返らせて上げる」

・・・・は?生き返ることができるのか?周りの人も戸惑っている。




「ただし!!」




より一層強い声で神が言う。

その声に圧倒され場が静まる。




「1人だけだ」




・・・・は?




「これから君たちにはゲームをしてもらう」




ゲーム・・?




「じゃあルール説明。まずこれから君たちには剣と魔法の異世界に転生してもらう。君たち6人が生まれたらゲームスタートだ」

異世界転生ってやつか?

「ゲームスタートと同時にこの時計のタイマーが動き出す。そのタイマーが86400時間をカウントするまでが第1ラウンドだ」

発言の余裕も無く喋る神に僕達は圧迫され何も喋れない。ただ呆然とその話を聞くだけだ。

「君たちは生まれてから第1ラウンド終了まで今までの記憶を全て忘れ普通に異世界ライフを過ごす、その間に基礎体力をつけたり魔法の習得、剣の練習などをしといてくれ」

「と言っても記憶が無いからどうする事も出来ないんだけどね」

「あちらの世界で生まれる君たちは前世の君達と同じ性格だ。精々前世の自分にい祈る事しか出来ないね。まぁいわゆる運ゲーて奴だ」

言ってることの意味はよくわからないが不思議と落ち着いている。なんでだ僕が死者だからか?

「第1ラウンドが終わると第2ラウンドが始まる。こっちも制限時間は86400時間だ」

「第1ラウンド終了と同時に君たちは全ての事を思い出す。前世の記憶、今の記憶。そして全て思い出した君たちは、向こうの世界で・・・・」

神が少し間を開ける。








「他の転生者を見つけ出し最後の1人になるまで殺しあってもらう」








!!!


衝撃が走る。

他の人も相当同様しているようだ。

「それ!デスゲームじゃないか!」

1人が叫ぶ。

「デスゲーム・・・・そうだな・・そんな言葉があったな」

神が何か感心するように頷くと・・

「そうだ。僕は君たちに異世界でデスゲームをしろと言っている」

「勝ち残った1人はまたここに戻って来ることができる。そうしたらこの時計を死んだ時間に戻して元の世界に生き返らせて上げるよ」

みんな漠然としている。それもそうだ、いきなり殺しあえと言われているのだから。

「あ!転生者は黒髪で名前に1から6の数字が入っているから、第2ラウンドの時参考にしてみてねー、じゃあ精々第1ラウンドで死なない様にねー」

神がそう言うと突如床がなくなり落ちて行く。

時計がドンドン小さくなり終いには見えなくなる。

そうして僕の意識は途絶えた。






4月10日午前5時 タイマーのカウントが0.00から0.01に変わった。




ゲームが始まった。

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