出入り自由な独居房〜かくも長き余生〜
よろしくま・ぺこり
第1話 平々凡々
やあ、おいらです。この出入り自由な独居房にようこそ。おいら、移送されて、一週間経ちました。私物の整理はまだ全部終わってませんが、とりあえず、寝床は確保しましたよ。でもね、格子戸から見える外の景色は、“リカー&フード 松本酒店”という古びた酒屋があって、そこの家族が地声が大きくてうるせーの! それに、ビールケース置き場がおいらんトコの窓から一メートルも離れてなくて、酒屋のおっさんと目が合っちゃうんですよ。気まずいなあ。でも、おっさんは気が強そうだから全然平気みたい。やっぱ、メンタル強い人は羨ましいな。三月をメンタルの崩壊で、布団で暮らしたおいらはそう思うのでした。
それはともかく、どうしておいらがこの独居房に入ることになったのかということを、皆さんは知りたいですか? そうですよね。どうでもいいですよね。だから書きません。どうしても、知りたかったらご一報ください。差し障りのない範囲でお教えします。
さて、今回のエッセイもどき。どういうコンセプトでやって行きましょう? やっぱり、おいらは小説が好きだから、そっち方面でやって行きたいなあと思うのですが現在、おいらの手元には未読の本が一冊もありません。なぜなら、引越しのダンボールから未読の本が見つからないのです。それに「探すぞー!」という気力、気迫も生まれてこないのです。この一週間、朝六時に起きて、『あさチャン』を観て、八時半から『スッキリ』を観て、十時二十五分から『ひるおび』を観て、十一時半からニュースを観て、十二時からは再び『ひるおび』。二時から四時は昼寝。四時からは『ニュースエブリー』。七時から九時はバラエティを観たり観なかったり。テレビを観ない時はネットを観て、Kさんのマイページをチェック。最近、新作が出なくてつまらない。九時からは『ニュースウォッチ9』。十時からは『報道ステーション』。で、睡眠薬飲んで、ネット見て寝る。なんと堕落した生活。おいらは懲役刑じゃないので、作業場にはいかないんです。
でも、これじゃいかんな。まず、引越しのダンボールを全部開けよう。未読の本や、大事な塗り薬がまだ見つかっていない。早く見つけないと、顔が崩壊して、怪物になってしまう。それに、無用なものを処分しなくてはいけない。目指すはシンプルライフ。狭いながらも、快適な空間を作らなければ。そして、近所探索をして、素敵な店を見つけよう。でも、おいら方向音痴なんだよね。知らないとこに行くと、帰ってこれなくなるかもしれない。怖いなあ。ちょっと二の足踏んじゃいます。
うーん。ここまで、書いたけれど、読んでくれる人がいるとは思えませんな。まあ、個人的な趣味の一環ですから、スルーしてください。よろしくま。
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