第13話 恋人と呼ばれた日


一方で、同じ頃のオリビアたちはというと。


「ってことで、よろしくな」


「よろしくな。じゃないわよ!!私は、認めない!!自分の結婚相手ぐらい自分で見つけるわ!!」


腰に手を当てて、怒鳴り散らすオリビアの頬に触れたギルバート。


「威勢のいい女は、嫌いじゃねえぞ」


「人の話を聞け」


「しょうがねえじゃなねえか。もう、諦めて俺にしておけよ」


「あん?」


『触んな』と、ギルバートの手を払うオリビアを少し乱暴に抱きしめようとしたが、彼女の隣にいたリアムがそれを阻止する。彼女は、自然的にリアムの腕の中に収まった。


「おい、リアム・・・どういうつもりだ?」


「別に?自分の恋人を守って何かおかしいですか?」


「恋人?」


リアムの言葉をきょとんとした顔で、こちらを見つめているギルバート。


「いや、なにかの間違えだよな?」


信じられて居ない様だ。


「あなたと友人になってから、僕が嘘をついたことはありますか?」


そう、リアムに尋ねられ首を横に振るギルバート。


「じゃあ、まさか本当に?」


彼は、そのままオリビアに近づいて顔を近付けると、頭に手を乗せられ優しく撫でた。


「良かった!!」


「え?」


「コイツ、こう見えて結構寂しがり屋なんだ。のクセに、人を寄せ付けようとしないからよぉ?心配してたんだ。リアムのこと、よろしくな」


「え?」


突然の事に流石のオリビアも頭が追い付かない。今、彼女の頭の中には沢山のクエッションマークが飛び交う。


「そんなことを急に言われたら、驚いてしまうでしょ」


「わりぃ!嬉しくてついな!!」


ガハハっと、大きな声で笑いながらオリビアの頭のクシャクシャ撫で回


「ちょっと、勝手に触らないでください」


「いいじゃねえか!!リアムの恋人は、俺の妹みたいなもんだからな」


「いつから、僕たちそんな兄弟みたいな関係だったんですか?」


そんな仲が良い二人を見て、思わず笑みを零すオリビア。


「これからは、俺のことはギルって呼んでくれ!」


「だから、馴れ馴れしくしないで下さい」


「いいじゃねえか。減るもんじゃあないんだから」


「違くて、下劣菌が移ります」


「どういう意味だよ」


「そのままの意味です 」


初めて見る自分の知らないリアムを見て、オリビアはとても嬉しくなった。


そうして、物語は続くのだ。

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