心が倦む日。雨、流れる。

心が倦む日。無力に纏われた日。失意の日。



産み出せず、膿も出せず、倦み脱せなかった日。



そんな日は雨が降っている。いつからだろう。長い間、雨の日は自分を振り返っている。



雨は嫌いだ。出かける気にもならないし、独りで無に向き合わないといけない。そんな強制力を感じてしまうから。



雨が降っている。



今日、雨の意味を見出した。なぜ雨が降るのか?



洗い流せと言っているんだろう。



心に滞留している膿を流せと言っているんだろう。来るべき晴れの日に倦まないようにと。根雪を押しのけて生える新芽になれと。運命を富ませて育くめと。言っているのだろう。



そう思うようにした。強引に。



今日も雨が降っている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る