第4話 相談しましょ
葉月さんがペディキュアをぬり終えた時に、次女の
「ただいまー。」
「お帰り~。どうしたの? 疲れてるね。」
睦月さんは仕事用の鞄を台所の隅に投げ出すと、葉月さんの隣の椅子に座ってテーブルに突っ伏しました。
「あー、もうやだ。会社辞める。」
「何があったのよ。例のお局さま?」
「…違う。
渉というのは半年前に別れた睦月さんの元彼です。
「そりゃあ、ご愁傷様。」
同じ会社の中で交際相手を見つけると、上手くいかなかった時に気まずいですよね。
「なんか食べるものない? 葉月のチーズケーキが食べたいな。」
「飲み会だって言ってたから…なんか残ってるかな?」
葉月さんは冷蔵庫を開けて、夕食の野菜炒めの残りを電子レンジに入れました。
汁椀を出してきて、顆粒だしの素ととろろ昆布と醤油で即席の汁物を作ります。
冷蔵庫の漬物のタッパーも出してきて、ご飯もよそってあげました。
「ありがと。飲み会の初っ端にそれを聞いてさ、一気に食欲が減退したの。あー、お腹空いたっ!」
バリボリと腹いせのようにたくわんを
「姉さんは?」
「お風呂入ってる。実はね…。」
葉月さんは弥生さんの計画を睦月さんに話しました。
話している途中で、睦月さんの目がきらきらと輝き始めます。
「私もその話、乗った!」
「言うと思った。お金は大丈夫かな…。」
「あんたは一番若いくせに冒険心がないわねぇ。ダメだったらその時にまた考えればいいじゃない。借金はしないほうがいいけどね。」
これはどうも二人の店ではなくて、三人姉妹の店になりそうです。
でも美大を出ている睦月さんが手伝ってくれるのなら、おばあちゃんちの改装も三人でできるのかなと葉月さんは思いました。
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