ガンシップ
「まったく、こんな時ばかり勤勉になりおって…!」
思わず愚痴がこぼれる。
もはや完全に三つ巴の戦いになってきていた。それ自体は別に構わんのだが、あまり人間共を巻き込むと山下沙奈がいい顔をせんのだ。人間同士で勝手に戦争をしてる分にはさすがに関係なくとも、私が直接手を下したとなるとな。ここまで巻き戻してきたのはそういう意味もある。
さりとてそんな事情を人間共が知る筈もなく、ガンシップによる攻撃も続いていた。すると化生共の一部がガンシップの方へと向かった。迎撃するつもりなのだろう。しかし、人間共の武器も意外と侮れん。近付く化生共を蹴散らし、返り討ちにする。
ふん、異常な事態にも若干慣れてきたということか。
人間共の攻撃により、化生共が次々と破壊されていく。当然、その攻撃は私達にも降り注いでいるが、きちんと対処してるからその程度ではどうということもない。精々、頭にガンッと直撃を受けた
「いってーな、バカ野郎! 邪魔すんじゃねーよ、ファーック!!」
とガンシップに向かって中指を立ててるくらいだ。
無論、ナハトムについても先程のミサイルの件もあって今は防御力の方を上げてやっている。その分、筋力は落ちているがそれほど影響もなく、ウルミを自在に操り化生共を切り刻んでいく。すっかり要領を掴んだらしく、実に活き活きとした様子だった。
「なんかもうスゲー楽しくなってきたぜ! 最高にハッピーだ!!」
あ―……ちょっとハイになり過ぎてるかも知れんが。
まあ、それまでロクな人生じゃなかったようだし、これまでの鬱憤を晴らしてるのだとしたら無理もないかも知れんがな。
とは言え、その辺は冴えないうだつの上がらんサラリーマンだった
「うおりゃーっ! ほあちゃーっ!! とあーっ!!」
などと意味不明な掛け声と共に一気に爆発させて、化生共を葬り去っていた。
今回、影共の意識は、それぞれの当時のものがほぼそのまま再現していて、その上でクォ=ヨ=ムイとしての意識も目覚めている状態だ。だから状況もきちんと把握している。
それ故、
他の連中も負けてない。
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