春雪（しゅんせつ）

春雪（しゅんせつ）

　雪が来るよ季節外れの雪が降るよ、ひさしぶるだからうんと遊ぼう

　キャッキャキャ、ランランラン、声を響かせ足音を奏でながら僕らは行くよ。

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　季節は4月になりその日はやけに寒かった。世間じゃ今年の桜は早いとの話題で持ちきりだったがその日はやけに朝から冷えた。

　朝飯も食べ終え、さて今日は晴れているしこれからどうしようかと考えていたときだ急に窓の外が白く染まった。風が吹きまるで春の嵐のように窓を叩くその嵐に乗り雪が吹き荒れていた。

　それはまるで、小さい子供がその中を楽しそうにはしゃぎながら遊んでいるように思えた、文字通り彼らは嵐のようにやってきて嵐のように去って行った、雪の足跡を残して・・・

　午後にはすっかりそのあとも跡形もなく消え去ってしまい残念な思いともう春なのだという遅めの実感をもたらした。

　そんなある日であった。