ステータス
俺達は今、国王と王女様に案内された大きな部屋の前にいる。
扉には、純白の鎧を着た勇者と漆黒の翼をはためかせた魔王が剣を交えている絵が描かれていて、周りは黄金だ。
「この部屋だ。さぁ中に入ってくれ。」
コゴゴゴッといった感じて扉が開く。
すると、中には大きな青いクリスタルが浮いていた。その下にはコントロール盤のような
ものもある。
「まずはこれを見てほしい。」
そう言って国王は指に嵌めている指輪を外してコントロール盤の上に置いた。
置いた瞬間、クリスタルが強く輝き俺達は光に包まれた。
その直後、自分の頭にこの世界の今までの歴史や言い伝えの内容などが一気に流れ込んできた。
…情報が多過ぎて頭が痛い。
周りを見ると皆も同じらしく、頭を抑えたり床に四つん這いになったりしていた。
一通り終わったのを確認すると、国王は俺達を見て
「今見てもらった通りこのままではこの世界は魔王によって滅びてしまう。頼む!
どうか!…どうか我々の世界を救ってくれぬか!」
「私からもお願いします!勿論、私達も持てる力の全てを使って貴方達をお手伝いします!ですから、どうか…この通りです。」
再度二人は頭を下げてくる。
すると蒼山が
「お二人共頭を上げて下さい。…わかりました。僕たちが魔王を倒して、世界を救います!なぁ皆‼︎」
皆口々に「おう!」「やってやろうぜ!」
「皆で頑張ろ!」など言っている。
それを聞いている俺は、
…お前ら…考え無さ過ぎだろおぉぉぉ‼︎
なんでそんな簡単に決められんの⁈馬鹿なの⁉︎頭おかしいの⁉︎死ぬかもしんない事をこんな即決すんじゃねぇよ‼︎
と思っていた。
そんな俺の気持ちなど知らず、国王と王女、そしてクラスメイト達は嬉しそうに盛り上がっている。
すると紫腹がある質問をした。
「そういえば、私達の強さって一体どのくらい何ですか?」
「あ!それは俺も知りたいぜ」
緑間も気になるらしい。
「そうですね。それでは皆さん
‘‘ステータス’’と唱えて下さい。」
「「「ステータス!」」」
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名前: 黒木 幸助
種族: 人間
職業: 死騎士
Lv: 1
属性: 闇・禁忌・????
カルマ: 黒
HP: 400
MP: 420
攻撃力: 445
防御力: 430
魔力: 560
精神力: 800
スキル: 言語理解 ステータス強化Lv5 威圧Lv8
ユニークスキル: 「禁忌の世界」「黙示録」
称号: 異世界人・大罪人・恐怖の体現者
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
………はぁ⁈
ちょ、ちょっと待って⁉︎俺の属性何なの⁉︎
禁忌ってなんだよ!称号も意味ワカンねぇ!
罪人って何‼︎恐怖の体現者って何‼︎俺が何したってんだよ!そして威圧のLv高過ぎだろ‼︎
俺が葛藤していると向こうのほうからどよめきが聞こえてきた。
「蒼山君すごーい!」「勇者だって!」
「緑間は聖戦士だってよ」「マジか強過ぎだろ」「赤城さん聖女⁉︎」「紫原さんは聖騎士だ!」「やっぱあの4人は違うな〜!」
「ふむ。アオヤマ殿、ステータスを見せてはくれまいか?」
「わかりました!」
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名前: 蒼山 駿一
種族: 人間
職業: 勇者
Lv: 1
属性: 光・聖
カルマ: 白
HP: 380
MP: 400
攻撃力: 460
防御力: 420
魔力: 550
精神力: 470
スキル: 言語理解 ステータス強化Lv5 人望Lv7
ユニークスキル: 「聖剣の契約者」
称号: 異世界人・導く者・悪を滅する者
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「何と!まさかLv1でここまでとは!いやはやこれは希望が持てそうだ!」
「はいお父様!これならばきっとこの世界を救ってくれますわ!」
「いや〜それにしてもよ!駿一!やっぱお前はすげぇや!俺なんかお前の足元にも及ばねぇ」
「いや、龍弥の防御力は僕よりも上じゃないか。それに凛も魔力が僕らとは桁違いだ。
透華だって攻撃力は4人の中でも一番だ。」
「いや〜それほどでも〜」
「それでも他はあんたが一番じゃない」
4人は楽しそうに話している。
他のクラスメイトも自分のステータスを見て
様々な反応を見せる。
そんな皆を見て俺は
何が何でも隠し通す‼︎見つかった場合は手段を問わずに口封じだ!
そう誓うのだった。
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