「星」

少し高い丘の上に立って

空が深くなるのを待っていた


いつもより遠くに見える

街の灯りが今日はちょっと

じゃまな気がして…


手頃な場所にシートを敷いて寝転んだ

静かな空気の中、星は瞬く


どこまでも遠くに行けそうなほど

濃い色の中、揺れる空想とまどろみ


明け方近くになって

やっと動き出す空


ヒカリが散って、砕けた

手元に残るのは灰になった

願いのみ




少し高い丘の上に立って

夜が深くなるのを待っていた


手頃な場所にシートを敷いて寝転んだ

静かな空気の中、星は瞬く


そっと風にのせて呟いてみる

その時までの練習に


空が流した涙を、願いを込めて返せたら…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夜の歌 西崎 愁 @closedknb

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る