〜特殊能力描き主〜
翡翠
序章ー始まり
第一話
「梨子!何これ!」
教室の中に1人の少女が飛び込んできた。あくびをしながらゆっくり顔を上げて、ため息をつく。目の前に突き出されていたのはなんの変哲も無い普通の朝刊だ。
「せっかく寝てたのに…」
さりげなく抵抗してみると、私の前に仁王立しているミウラが大げさにため息をついた。
「寝てる場合じゃない!これを見なさい!
天才少女、現る!?
○月○日、▲警察が窃盗事件の調査中、少女が突如乱入、完璧な推理を警察に披露し、その場にいた誰もを驚かせた。その少女は推理後、行方をくらました。少女は旭ヶ丘高校の制服を着て、長い茶髪と輝く金色の瞳が特徴的…。これって、梨子そのものでしょう?写真もそっくり!おまけにここは旭ヶ丘高校!」
「私はそんなことをした覚えはないけどな…」
「旭ヶ丘高校の生徒の中で金色の目をした女子なんて、何人もいるわけないでしょう?」
「少なくとも私じゃない。それに私、それほど頭が良くない…」
「それは分かってるの!でも、梨子しかいないの!」
「でも私じゃない!」
「おはよう、リコ!」
紹介する前に先に言っておく。いい言葉で言うと個性的な人がこのクラスにはいやになるぐらいいっぱいいるのだ。
「なあ、お前、天才なんだって〜?」
面白がるように聞いてくるのは、個性的な人の第一人者にしてもおかしくないだろうと思われる、城川爽。決して好意的とは言えない私の幼地味。私は彼にいつもいつも被害に合わされている。
「天才?お前が?」
半信半疑…以上に疑り深そうな顔で見てくるのは、文句なしの「天才」のユネラルク。…ただし、完璧な人間なんているわけない。口が悪い。口を開いたら嫌味しか出てこない。口だけじゃなく、顔まで嫌味に参戦してくるからすごい。
仕組まれたように、クラスのほとんどの人が個性的。
「本条!これはどういう事だ!」
先生が新聞を開いて、記事を見せる。またあの記事だ。
「だから!わたしは知らないんです!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます