ありきたりで悪かったな、これが僕のラブコメじゃ!
七条ミル
プロローグ。
高校生になる。
家からある程度はなれた高校を選んだ。入念に情報収集をして、誰も選ばぬような高校を選んだ。これならもしかしたら、高校生活楽しくなるかもしれないと思った。
電車に揺られること一時間と少し、高校の最寄り駅までもうすぐそばまで来た。ここまでくれば、同じ綺麗な線が縦に一本入ったスラックスやら、綺麗なプリーツがそのままになったスカートやらを穿いている人が増える。一目で、新入生なのだとわかる。
桜の花はとうに散ってしまった。若緑に染まるソメイヨシノに覆われた道をゆっくりと歩く。これから、きっと三年間跨ぐことになる門を抜ける。
門をくぐったところで、別に風景が変わるわけじゃない。小綺麗な校舎が、ただそこに立っていて、そこでは人が沢山過ごしていて。
わくわくしないと言えば、嘘になる。あんなことになんて、きっとならないと、解っている。あいつも、居ない。だから、大丈夫だと思う。
どこに目を向けたって、厭になることが無い。
自己紹介で立っても、誰にも指を指されない。
でも、友達なんてできなかった。
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