第5話 第2の襲撃
太陽の光を浴びて、起きた。ごつごつした岩の上で寝るのは体のあちこちが痛くなる。あくびをしながら体を伸ばしていると、おなかの音が鳴った。そういえば、あの日の夜以降、何も食べていないかった。どうやって食料を調達したらよいかわからない。私は、世間的にいうと、元お嬢様なのだからそういうことには疎いのだ。とりあえず、水だけでも飲める公園にいこうと思い、詠唱する。
「アクティベーション!フロート。」
いつものように剣が右手に現れ、足元の魔法陣ごと浮いた。空から公園をさがす。目印になるだろう滑り台を探した。ちょっとすると見つけることができた。近くの林に人に見られないように降りるとすぐさま水飲み場にいく。朝のためか、まわりには誰もいなく静かだった。水を思う存分のみ、公園にある時計を見る。どうやら今は6時ごろらしい。特にすることもなかったので洞穴にもどり休んだ。
ふと目を覚ますと、夜になっていた。外が少し騒がしい。立ち上がり、外に出て街を見下ろす。気のせいかか思ったその瞬間、背後から魔力を感じた。反射的に振り返ると炎の塊が迫ってきていた。
「アクティベーション!」
魔法を解除し、飛んできた炎を剣一振りで消し飛ばす。爆風がおこり、視界が遮られた。そして、背後から何かに押される感覚がした。目をあけると自分の体から剣の切っ先が出ていた。
「え?」
驚きの声をもらすと同時に痛みが伝わった。血が溢れるのがわかる。視界がゆがんでいく。目の前に誰かが立っていた。その人は、私に手を向けて、あの炎の塊を出してきた。その瞬間、刺さっていた剣が抜かれ、体が前に傾く。目の前に炎が迫ってくる。これで終わりだ。誰かを殺し、自分も殺されて終わるんだ。目を閉じてそのときを待った。・・・しかし、その時は来なかった。黒い服をを纏った男が私の前に現れ、魔法を打ち消した。そして、私を抱えると、浮遊した。地上にいる二人が追いかけてくる。男は片手に握っている棒をふり、何やら唱えていたが、そこで私の意識は途絶えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます