一ヶ月前
遡ること一ヶ月前
とある平日の深夜、
谷先生は自分の部屋で夜更かしをしていた。
照明を消した暗い部屋の中で、
パソコンの眩しい薄明かりに顔を照らされながら、
あることについて真剣に調べ事をしていたのだ。
『ピコ〜ン!』
「こんな真夜中にうちに※LINI? 全く誰や?」
※月水
「えみたん起きてる?」
「は?
誰かと思ったら※
※天才美人科学者
「こんな遅い時間にLIN Iのメッセージ来たからどんな非常識な奴かと思ってたら、
やっぱりお前やったんかぁ〜」
※月水
「えみたん、ごめんごめん。
僕は今アメリカの大学の研究室で働いているから日本が今まだ夜中なこと忘れていたよ」
※天才美人科学者
「あんたが今アメリカにいるとか知るかー!
それになー! あんたからうちのこと えみたん 呼ばれるの寒気するからやめー
いつも言ってるやん」
※月水
「えみ、ひどいよー!」
※天才美人科学者
「こらっ! 名前の呼び捨ても勝手にうちの彼氏面されているみたいで嫌やから禁止や!
うちのことは"さん"か"君"、"博士"以外の呼び方禁止!
いいな?」
※月水
「全く、君はツンデレだねぇ〜」
※天才美人科学者
「違ゃうわ!!
ところで、こんな夜中にメッセージ送って来てどうしたんや?」
※月水
「そのことだけどね。
実は、今僕が研究に協力しているアメリカのある大学の医学部の研究所長に君が構想を考えた新しい装置のアイディアを話したんだ」
※天才美人科学者
「へえ、それで? どうだったんや?」
※月水
「室長は君のアイディアに大変興味を持ってね!
研究資金を全額捻出てくれるってさ」
※天才美人科学者
「それは本当なのか!?」
※月水
「本当だよ。ただし、もちろん研究が完成したら、
室長と君とが協同で発明したことにしてもらう条件付きらしいけどね」
※天才美人科学者
「うちはもちろんそれでかまわん!
お金儲けより研究自体が好きでやってる訳やからな」
※月水
「さすが、えみ…谷博士。
それにしても僕も驚いたよ。
君が臨死体験の原因となるメカニズムとして、
麻薬の様な幻覚作用や時間感覚を1000倍近くも長く感じさせる神経伝達物質を全て調べ上げ、臨死体験を疑似体験出来る装置まで考えてしまうとはね」
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※LIN I《ライニ》 (架空)
スマホの普及により、今は若者だけでなくほとんどの年代層が利用しているコミュニケーションアプリ。
LIN I仲間同士、チャット以外にもネット回線を使って無料電話ができる。
また、通常LIN Iではフレンドの名前表記はフレンド側が決めた名前になる。
しかし、谷先生は電話帳に知人の名前をあだ名で登録しており、LIN Iのフレンド名表示もそのあだ名で表示されるようにカスタマイズして使っている。
※天才美人科学者
谷先生は正確には数学者であり数理物理学の科学者でもある。
そして、数学や数理物理学だけに限らず、他の科学の興味のある分野について個人的に研究している。
そして、数学や数理物理学以外の分野を個人的に研究をしているときには自らを科学者と呼ぶことがある。
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※今話のエピソードは全年齢版バージョンです。別タイトル
【憮然野郎 本編作品(全年齢版)の男性向け編集バージョン】の中に、
上品とは言えないようなネタも含めたバージョンの代替エピソードを収録しています。
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【登場人物】
•谷先生
•
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