計算不可能性
「それは今の科学ではわからんらしい。
けどな、ある学者は言うんや。
この広い宇宙には宇宙誕生からずっと『原意識』というものがある。
人が死ぬと脳内の意識という量子情報が『もつれた対の量子』をたどってより高い次元の宇宙に存在する『原意識』につながってるてな」
「じゃあ、谷先生も意識は死んでも無くならないと思っているんですか?」
「うちは死んだら意識は無くなるって思う。
でもな、生きている脳が波動関数の収束を起こす量子コンピューターっていう意見には賛成なんや。やけどそれは、あくまで薄っぺらい表面上の意識の発生であって
心はもっと複雑やと思ってる」
「『心』と『表面意識』は違うんですか?」
「心は脳という量子コンピューター単体では
(あらゆる自然数の組(n、m)に対して、
自然数n対応の万能なコンピューターに
mを入力した時、それが計算できるかを予め予測できる単体AIは数学的に存在しないて言う理由なんやけど、真智にはまだ難しいやろな……)
谷先生は続けた。
「ここからはうちが考える認知科学チックな発想なんやけどな。
この計算できん意味の認知『心』は、
自分以外の
「え? じゃあ心って言うのは……!!」
「そう。例えばうちと真智それぞれの頭の中に
表面意識はある。
やけどな、心はうちの中にも真智の中にも無い。
うちと真智の間のこの空気中にある様なもんや。
心はうちと真智が向かい合って、
五感を使って
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【登場人物】
•
•四葉
•
•谷先生
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