野原に広がる名も分からない小さな花たちのように。
ソラ
第1章 春が過ぎようとしている、曖昧なこの季節には。
第1話 ……まったく男ってやつは……
「ねえ、今日は一緒に帰れるの?」
「いや、今日は珍しく部活」
と、そっけない返事。
鈴菜は少し時間をおいて、
「ふ~ん……判りましたっと。今日はお一人で帰りますわ」
そう言うと、両手を頭の後ろに組んで、くるっと健吾に対して背を向いた。
「ゴメン!」
健吾はそう言うと両手を合わせて頭を下げる。
鈴菜は、『仕方がないなあ……』と
「結構一人で帰るのって寂しんだからね」
と小声でつぶやく。
健吾は、よく聞こえなかったみたいで、
『え、何々??』
というような素振り。
後ろにいる健吾のそんな仕草を首を傾けて見ていた鈴菜は、右手で顔を半分覆い、
『……全く男ってやつは……』
とあきれるばかり。
いつか健吾から、
『一緒に帰りたいな』
なんて一言を、むしり取りたい気分の鈴菜だった。
***To be continued***
野原に広がる名も分からない小さな花たちのように。 ソラ @ho-kumann
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。野原に広がる名も分からない小さな花たちのように。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます