現代病床雨月物語 秋山 雪舟(作)
秋山 雪舟
第8話 「生戦(せいせん)その2」~聖母マリア連合で闘う~
2016年の秋に私は病院を退院しました。久しぶりに家に帰った私は精神的な安定を感じました。しかし夜中にまた38度の熱が出ました。退院した翌日、私は早くから目が覚めていました。出勤前の妻(宝雪)に肛門外科に行きたいので調べてほしいと伝えました。妻(宝雪)は、近くに肛門科があるのを教えてくれました。私は意を決しその開業医のBクリニックに行きました。そのクリニックは、診察前から患者でいっぱいでした。私の順番は11時くらいにまわって来ました。最初は看護師(女性)から問診を受け次にこのクリニックの医師の診察を受けました。
このクリニックの医師は女医さんですぐに触診をして、秋山さんこれは「痔瘻(じろう)」で手術でしか治りません。と言われ私はやっと本当の原因にたどりついたと思いました。このクリニックのU女医の説明は誠に解かり易く本当に助かりました。またU女医は今処方されている薬=ネリプロクト軟膏はやめて下さい。と言われました。
このU女医は本当に私の気持ちがわかっているかのように、秋山さん手術は30分程度の手術で日帰りですよ。ちょうど本日の午後の手術が1件キャンセルになりましたので手術しますかと提案してくれました。私はすぐにします!と言いました。
では秋山さん後は看護師が説明しますので最後に採血をして帰って下さい。その後、看護師から手術の1時間前までにはこの下剤を飲むようにと渡されました。そして採血をして家に帰りました。この時の私の気持ちは原因がわかり晴れやかでした。家で下剤を服用してすぐにU女医のクリニックから電話があり、秋山さん本日の手術は中止になります。秋山さんの血小板が2万7千なので手術は出来ません。ついては以後のことを相談したいので手術の時間に来院して下さいといわれました。いっぺんに心がブルーになりました。
U女医から今後についての説明があり。大きい病院を紹介しますので今しばらく待って下さい。私は、クリニックの長椅子に座っていましたが下剤の影響で体力が消耗して座っているのがつらく横になってしまいました。それを受け付けの女性の方がすぐに気が付き、診察室内のリクライニング式の椅子に運んでくれました。U女医は、この状況も理解して初めはJR大阪駅前のC病院に2週間後で話を進めていたのですが1週間後に早めてくれました。私は、この行為がありがたく1週間頑張ろうと思いました。
その日、仕事から帰って来た妻(宝雪)に、その日の出来事を説明しました。妻(宝雪)は、大変やったけど原因がはっきりしてよかった。と言ってくれました。
私は、今さらながら入院していたX医師に怒りを感じました。なぜなら入院時13万5千あった血小板が2万7千に激減したからです。
1週間がたち私と妻(宝雪)は、JR大阪駅前のC病院に行きました。そこではS医師が診察してくれました。秋山さん、大変でしたね。彼女(U女医)の診断は確かでそのとおりですよ。うちの病院では、この状態(血小板2万7千)なら私が手術しますよ。と言ってくれました。この医師は日本でもトップクラスの肛門外科の名医です。このS医師も私がU女医の紹介であるので多忙なスケジュルのなか早く手術が出来るように調整してくれました。手術の日は、3日後の12月1日の午後に決まりました。その日も診察の後に採血をして帰りました。私と妻(宝雪)が家に帰ると留守番電話に1件の録音があり、再生するとC病院からであり電話をして下さいという内容でした。私はすぐに電話をしました。女性が対応して、秋山さん血小板が1万3千しかなく、このままではさすがに手術ができないのです。秋山さんの通院しているA病院の血液内科と相談しますのでよろしいですか本日中にこちらから連絡します。といわれました。私はまたしてもX医師が目に浮かびました。しかしC病院が動いていてくれるので信じるしかありません。
その日の夕方に、C病院から電話があり前と同じ女性が明日、秋山さんの血液内科の主治医A医師に会って下さい。こちらからは、A病院に説明していますからと言われました。
つぎの日の午前、私と妻(宝雪)は主治医のA医師と面会しました。私の主治医・A医師は退院後の私には手術が必要で血小板が減少しているのをC病院から知らされていたので、秋山さん今日血小板の輸血をしましょう
。今から準備しますので、もう一度午後に病院に来て下さい。私たちは、午後に来院して、血小板の輸血と白血球を増やす注射をしました。 次の日の午前に主治医のA医師から電話があり昨日の輸血後の採血で血小板の増加が診られたので本日の午後も輸血に来てくださいと言われました。そして再び血小板の輸血と白血球を増やす注射をしました。
手術の日の午前(手術は午後)に、前日までの輸血で血小板は7万まで増やすことができました。今日は白血球を増やす注射だけをして手術に行ってくださいと言われました。そのすぐ後に、私は肛門が痛いので変な歩き方でそれもゆっくりした速度で歩きC病院になんとかたどりつきました。
手術は局所麻酔をして10分程度で終わりました。なんとあっけないことか、出血もほとんどありませんでした。また、手術後は来た時とは別人の様に普通にそして早く歩ける様になりました。あらためてC病院のS医師の手術のすばらしさに感動しました。
これまでのことは死神一派のX医師による入院時から続く影響によるものです。私は、妻(宝雪)からU女医そしてS医師というマリア連合によって救われました。
現代病床雨月物語 秋山 雪舟(作) 秋山 雪舟 @kaku2018
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