村上春樹・原作のドラえもん

のび太「ジャイアン…そう、ジャイアンだ。イジメる側はいつもイジメた相手の事なんて少しも覚えていない。だから、今日はイジメられた僕の方が忘れてやったのさ。」


そう言いながら、のび太は棚に置かれたバーボンの瓶に手を伸ばす。


ドラえもん「つまりさ、君は現状を変えたいんだ。違うかい?」


のび太「道具に頼るのは、今回だけ。いや、きっとね。」


ショットグラスに注いだバーボンを一気に呷ると、少年は立ち上がった。


ドラえもん「しょうがないなぁ……のび太君は。」


線を切られてしまった電話機のような完璧な沈黙の後、二人は顔を見合わせて吹き出した。


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