「俺の魔眼よ今再び漆黒の翼と共に力を示せ!!開!眼!!!」

@Kaito1227

第1話 プロローグ。

彼の名前は滝沢 良太。美容師だ。


毎日のように人のリクエストを伺って喜びを与える仕事に誇りをもっている。


今日も仕事を終え従業員に「お疲れぇ」と挨拶を交わしいつもより早く店を出た。


時間は7時。


今日は後半、客足が減りスムーズに片付けも終わったので早かったのだ。


それに加え後輩のレッスンも今日はなく明日は休日である。


帰りにコンビニに寄り弁当とお茶を購入後、直ぐに家に帰宅。


1人暮らしの為、相変わらず家は真っ暗だ。


部屋の七畳ほどで1DKと、1人暮らしには上等な広さだ。


リビングの電気を点灯させると迷わずパソコンのスイッチを入れる。


立ち上がるまでに急ぎ服を着替えてデスクに座る。


「さぁ、今日は寝ずにゲームするぜ!我が力を思い知らせてくれる!ははははは!」


彼は普段明るく真面目だ。


だが隠しもった自分を持っている。


この暗く狭い空間の中、そしてこのゲームの世界こそが自分が自分でいられる空間。


そう。良太は中二病である。


「俺の魔眼よ今再び漆黒の翼と共に我に力を指し示せ!!開!眼!!!」


パソコンのスイッチを押した。



〇〇〇〇。



「はっ!」


不意に意識をとりもどす。


どうやら寝てしまったらしい。状態を起こし目を擦る。


(おかしいな。俺がゲームしてる時に眠るなんて事、今までなかったのに。)


すると、ふと吹き抜ける風が自分にあたり肌寒さを感じた。


なんだ?窓なんて開けてたか?


虚ろな視界もどんどんと視力を取り戻していく。


そして良太は今の状況に目は丸く大きく見開いた。


「何?ここ?」


良太が見た物は辺り一面何もない荒野だった。


動揺を隠しきれない、良太はすぐ様起き上がり視界を広げるが本当に何もない。


夢?。 ためしに頬っぺたをつねってみた。


「ぎゃぁぁ!!」


ビックリするぐらい痛かった。


どうせ夢だろうと本気でしてしまったのが間違いだった様だ。


むむむ。さてどうした物か?


良太は腕組みし思い悩む表情を見せると、お腹がグウと鳴り響いた。


「げ。お腹が急激に空いてきた。」


良太はポケットの中身を確認しようと服に目を向けると、やたら高級感漂う服を着ている事に気づく。


そしてその服のデザインは映画とかでよく見る昔のヨーロッパ風なデザインだ。


だが何処か見覚えのあるデザインだなと感じた良太は思考を巡らせた。


そしてある事に気付いた。


「俺がゲームのキャラクターに着せてた服?」


そう。この服は良太がやっていたゲームの自分のユニットに着せていた服だ。


(おいおい。まさかな…)


試しにステータスと頭の中で思い描くと、目の前に半透明のパネルが現れる。


◇ーーーーーーーーーーーーー◇

【名前】メル・ブラスト

【種族】人間族

【年齢】13

【職業】遊び人

【称号】全てを超越し者

【レベル】---

【適正魔法】全属性魔法 召喚魔法

【特殊スキル】魔眼 漆黒の翼 #創造形成__クリエイティブ__#

◇ーーーーーーーーーーーーー◇


(マジか、これまで一緒かよ。)


そこに書かれていたステータスは明らかに自分のしていたゲームのステータス其の物だった。


職業に関しては全てをマスターした為、正直何でも良かった。でも敷いて言うなれば強そうに見えない遊び人なのに何で?と思わせたい願望で遊び人にした。

それに合わせて、髪も白髪して目の色もブルーで顔も中性的で幼くしたのだ。


さらに【ストレージ】の枠もゲームとそのままに有り、元々持っていた所有物も一覧に載っていた。


良太ことメルは、更に試すようにストレージの一覧から自分のお気に入りの大剣を取り出した。


見事念じただけで取り出す事が出来た。


この大剣の名前は【魔剣ガルガラ】。


大きさはメルの身長140センチより大きな150センチだ。


この大剣は持ち主を選ぶ大剣で、エンチャントに魔法打ち消し、対多種族有効と、その他多数が付けられている。


ちなみにこの武器はメルの【#創造形成__クリエイティブ__#】で作りあげた武器である。


軽く振り回してみると、手にしっかりと馴染み羽の様に軽かった。


メルの表情は徐々に緩くなってくる。


(くうぅぅ。)


「正に夢に見た世界だ!!!」




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