第06話 中国の星座 二十八宿編

ごきげんよう、崔浩さいこうである。

ここより二十八宿についての解説となる。


二十八宿は七つづつに分けられ、

それぞれが、四方を守る、とされる聖獣、

いわゆる青龍せいりゅう玄武げんぶ白虎びゃっこ朱雀すざく

割り当てられている。


さて、ぐるぐる回るのが星である。

東西南北もクソもない。

では、何を基準に、

星座に東西南北を割り当てられているか。


一年の始まりの瞬間の配置である。



○中国の歴史的暦法


まず、一日の始まり。

これは24時間区分で言えば、

前日の23時、となる。


そして、一年の始まり。

立春の日近くの新月の日である。


よって、古代中国の

一年の起こりは、

太陽暦的に言い表すと

立春頃の新月の夜の23時、

と規定することが叶おう。


このタイミングの夜空の特徴であるが、

およそ東南の位置、

即ち「東の空と南の空の境界」辺りに、

おとめ座αのスピカがある。


そのため、二十八宿は

スピカを起点として展開する。



○東の星座(青龍)-春

角・亢・氐・房・心・尾・箕


角宿がスピカ。

スピカを先頭とし、東方面に展開している。

よって、立春から立夏に掛けて

南の空に分布することとなる。

星座が制定された当時は、

どうしても戦争と無縁では

おれなかったのだろう。  

軍事関係の星座が非常に多い。

一年の戦の行く末などを

占っていたと思われる。


無論、諸氏の世界で

徒にそれに従う必要もない。



○北の星座(玄武)-夏

斗・牛・女・虚・危・室・壁


斗宿は、いわゆる南斗六星である。

むしろ「天の川が最も濃密な場所」

と表現した方がわかりやすいかもしれぬ。

何せ地球より見た銀河系の中心が、

この辺りに位置しているのである。


農業、土木に関する星座が多い。

確かに、外働きに最適な季節であるな。



○西の星座(白虎)-秋  

奎・婁・胃・昴・畢・觜・参


ペガサス座の大四角形、

の少し東にある暗い星を起点とする。

じ、地味なスタートであるな……。

そしてやはり、収穫に関する星座が多い。



○南の星座(朱雀)-冬

井・鬼・柳・星・張・翼・軫


起点はふたご座のカストルとポルックス……

と言いたいのだが、カストルの足である。

テジャトポステリオルと言うらしい。

何だその強そうな名は。

このエリアは特徴らしき特徴がない。

死者のエリアや

楽士のエリアなどがあるのが

多少特徴的であろうか。

冬は死にやすいし、

できれば屋内で楽しみたい、

と言ったところであろうかな。



○運用のヒント


特色をそれぞれに挙げているが、

どこにも守備兵的な任務を

負ったであろう星座も存在する。


また、東西南北が

規定されていることから、

北極点を都とし、東西南北を

国の領土に当てはめる、

と言った運用も可能である。


例えば、平安時代の日本。

青龍の星座方面で、大きな彗星が現れた。

これを「関東地方で乱の兆し」

と解釈することも可能である。


星見は、如何にそれっぽい解釈を

相手に押し付けられるか、が

肝要である。



さて、ここまでは

大雑把に「星宿」とのみ書いた。


実のところ、各星宿は、

言ってみればそのエリアの

首都的存在である。


即ち、各星宿をのぞき込むと、

更に星座が存在するのである。


なので、次話にては

ここに踏み込むと致そう。


やはり詳細には語らぬがな。

Wikipedia 先生に

全力でお世話になる次第である。


では、また次話。

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