この春、俺はアカレンジャーになりました

@Isimotoageha

第1話 入隊への道

俺の名は伊達一樹。

去年の春、高校2年生だった俺は進路に悩んでいた。特に何かやりたい事もなく、適当にそこら辺の大学に入れればいいと思っていた。学力も運動神経も平均より少し高いくらいでコミュ力も普通。俺は普通街道をまっしぐらに進む運命のはずだった。


帰り道、俺はいつも友人の川井と話しながら帰っている。こいつは頭も良いし勉強も出来る。きっと良い大学にいっていい仕事に就くんだろうな。

「なぁ川井、お前大学どこ行くの?」

「大学?行かないよ。」

「え?そうなの?」

「うん。就職。」

「まじで!?どこ?」

「戦隊。」

「今なんて?」

「戦隊。」

「おま、戦隊ってなんだよ」

「今この世界って怪人とかいるだろ?そいつらを駆逐するんだよ。」

「いや、知ってるけど。お前ならエリート街道進んでいい大学進むと思ってたからびっくりだわ」

そう。この世界には怪人がいる。3年前に宇宙から日本にやってきて全世界に衝撃を与えたが自衛隊の力で6割程抹殺された。それにビビった怪人たちは山奥や住宅街に人間に化けて紛れ込んでいるそうだ。そんな所に逃げ込まれては兵器も使えないので特殊部隊を結成し、倒していくという方針らしい。そして、残りの4割を駆逐すべく、こいつの言う戦隊というものがつくられた。

「なんかさ、やりたい事が見つからなくて何となく幼稚園のアルバムみてたんだよ。そこに、将来の夢があってさ。アカレンジャーになりたいって書いてあったんだ。今やりたい事見つからないならこの頃の夢を実際に叶えるのも面白いかなって。」

「そうだったのか。」

「あ、今度その戦隊の会社の説明会があるんだけどお前も来てみる?」

「え?まぁ行くだけ行ってみる」

まぁその会社には入らないだろうけど暇つぶしに行くか。この頃はまだその程度にしか思っていなかった。


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