リーマンが見る異世界
異世界攻略班
主張しない蝸牛
俺は冴えないサラリーマン。どこにでもいる一社会人。毎日顧客のもとに赴き商品を売っている。楽な仕事ではない。やりたい仕事でもない。でも、今はただ歩き続けているんだ。希望はあると信じて。
「こんにちはー」
全長2メートルぐらいの巨大な渦巻き状の物体に挨拶をする。明らかに下の方に穴があるので、おそらくそこが玄関だと思うが、中から反応は無い。そこにいることはいると思うのだが、こちらからの呼び掛けに応じる素振りも見せない。うーん…。
「すみませーん」
再三試みるが、結果は同じだ。外回りはこれだから疲れる。根気がいる。諦めて帰ろうとした瞬間、中から何かが首を出す。
「…」
そいつは一切言葉を発せずに、こちらの様子をちらとうかがうとすぐに頭を引っ込めた。
俺はため息一つに退散した。そろそろ、帰社の時間だろう。カバンを左肩に提げ直し、その場を後にした。
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