第9話 勝手に推します②

勝手に推します②


せっかく自主企画なんてものをして、沢山の方の作品を読んでいるので、つらつらと筆が進むままに気に入った作品を推してみよう!

と言う勝手気ままなコーナーでせう。どうか笑ってお許しください、作者さま。


では第二回目の作品は……


詩集【四季折々】

梅野うさみさんの詩集です!

難解な言葉はなく、誰もが読める、楽しめる。『ハルガキタ』は真っ向から詩だなぁ、と感じます。下記は冒頭抜粋。


溶けよ 溶けよ 雪たちよ

咲けよ 咲けよ 花たちよ


花は咲くものだし、雪は溶けるものだ、大人は働くし、子どもは学ぶ、そんな情景をただただ書いているんだけど、それが胸にすとん、と落ちて最後に眠る猫が現れる。繰り返しの語感が気持ちいい作品で、声に出して読みたい。そんな詩ですね。僕は読み上げることに耐えられる詩が好きなのだ、とよくよく思う。


他の作品もそんな語感を楽しめる作品が多い。さらに少しばかりシニカルな要素があり、それが作品を読んでいてニヤリ、とする隠し味になっています。個人的には『あさり』という詩が好きです。ことこと、煮られるあさりの独白が面白い。


こういう詩を読むとその軽妙な詩風に心踊らされているのですね。マザーグースのような味わいもあり、久しぶりに寺山修司のマザーグースを取り出してみたり。この筆致、羨ましい限りです。


皆さま、お楽しみ下さいませ。


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