チート女神の苦悩物語

ひまとま

チート女神は苦悩する

 あれでもない。


 これでもない。


 この魂に与える能力はどれが良いんだろう?


 あの勇者に与える能力はどれが当てはまるんだろう?


 転生?召喚?巻き込まれた?自殺した?死刑になった?


 それでも、私のところに来た者は平等に扱わなければいけない。


 だから、私は苦悩する。


 相手の願望に沿うように、相手に余る能力は渡さないように。


 私は苦悩する。


 チート女神と呼ばれた私が、不正チートをするわけにはいかない。


 私は『不正能力チートを司る神』アリシア。

 転生する魂や召喚される勇者などに、チート能力を授ける女神。

 今日も私は、やってくる者たちに苦悩する。

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