第60話・処刑人の称号
彼等にとって外敵を排除するのは当然の事ながら、裏切り者を死で裁くのは、さらに必要不可欠な事だ。それは見せしめでもあり、組織にとっての自戒の意味も込められているからだ。しかし、時折その行為が更なる裏切り者を生み出す事もあるのが、実態だった。ならば都市伝説に登場し、誰もが知る恐ろしい[黄昏の魔女]に[処刑人]という称号を背負って貰えれば、裏切り者を禁域区に行くよう
「
低く地を這うような
「コレで良いんだよ…食い
最後の一言が滅茶苦茶な上から目線だったが、九埜の言葉を聞いたセラフィーノが思わず苦笑した、その感情は周囲にも緩やかに広がる。これが[黄昏の魔女]か、と。提案をした忍も、一時セラフィーノの不機嫌さに冷や汗をかいた宗士も、ひたすらヒヤヒヤしていた迅も苦笑している。長谷寺だけがずっと笑顔のままだった、彼の元気な声が店内に響く。
「よかったねー、忍ちゃんっ!迅ちゃんお酒まだー?」
確かに良い方向へ転んだが、長谷寺のこの空気をぶち壊す特技は何とかならないのかと多数の者が思った瞬間だった。また、微妙に張り詰めていた糸を断ち切り、普段通りの[REI]の雰囲気へと戻した瞬間でもあった。自分達が注文した酒が配られ、八人で乾杯をすると、透は酒を片手にカウンター内へ入っていく。今夜は[BillyBlack]の上位幹部連で席がほぼ埋まっている、
「忍くん、契約の儀式をやっときましょッス」
「…儀式?」
「真日留の魔法を見たいなら、今だぞ」
九埜は、[黄昏の魔女]として[処刑人]の称号を
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