第29話・魔物、亜型、人間
掃除を終えた迅の頭の中は、今夜得た長谷寺がもつ情報の多さで、ゴチャゴチャになっていた。何かを考えることは、もう今夜は
「…知らねぇコトばっかりだ。知りてぇのに、知るのが怖い」
主語のない言葉を聞いて意味が分からず、長谷寺は小首を
「じんちゃん、こくごじてん忘れてきちゃった」
「大丈夫だ、朝もあそこに置いといてやるから」
「はぁい、わかった~」
一瞬立ち止まった長谷寺だったが、迅の言葉にコクッと大きく頷いて
「─…っだっ、だいじょ、ぶ。も…少しで、傷、きえるか…ら」
二人が心配そうな表情を浮かべ見詰めていると、長谷寺の言った通り、パックリ裂けていた
「……さすが、って言っていいのか分からないけど、兄さんよりも治るの、スゴく早いですね」
「俺、
「いいことなの?」
泣き止んだ長谷寺の顔は、鼻血と
「あぁ、良いことだ。お前は綺麗だからな」
「そっかー!」
(…兄さんズルい)
嬉しそうに、満面の笑顔で両腕を上げて喜ぶ長谷寺、微笑んでいる迅、透はその様子にジットリとした視線を向けると、血を
.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます