第27話・凶悪な二人
人型状態の
「そうだ、今日の殺しも中々に気持ち良かったですよー、さすが紫陽花っ!」
「そうっ!?」
「首が落ちる瞬間も、血の雨も、コンクリと電柱まとめて斬れてたのも
誰もが知る残酷な殺人鬼が、ピッカピカの新参者を、ウットリとした表情を浮かべて、殺しの件で褒めちぎっている。黒腕と長谷寺以外の、酒城兄弟も含めた店内の全員の顔は、ザーッと血の気が引いていく音が聞こえそうなほど
「紫陽花がココに来てくれて、俺すっごく嬉しいです、歓迎のプレゼントあげますねっ」
「わぁーっ!なになにっ?」
彼は、不老の身になるよりもずっと幼い頃から長谷寺に憧れていた、無邪気で可愛らしく見えるのに時に無情で、圧倒的な強さを誇る魔物として。とても嬉しそうな笑みを浮かべる長谷寺の手に、黒腕は携帯端末用の小さなストラップを置いた。一瞬だけ目を見開くと、チリンッと美しい鈴の音を鳴らす可愛らしい猫のストラップをジッと見詰め、彼は、ふんわりと花が
「かーわいいーっ!飛鳥ちゃん!ありがとーっ!大事にするねっ」
「喜んでもらえて良かったです」
その様子を見ていた全員が、なにかの時に使えるかも知れないと、彼は可愛いモノ好きなのだということを脳に刻んだ。
「飛鳥ちゃんはどーなの?楽しく殺してる?」
「そりゃもー、毎日楽しくて楽しくて仕方がないくらいですよっ。これからまた行こうかなぁって思ってたんですけど、せっかく紫陽花に会えたし…んー、次の一杯を最後にします」
「そっか!楽しめてるならイイねっ」
「はいっ!」
「紫陽花、ココでは、あんまし話が楽しめないですねぇ。今度マンションまで行きますから、楽しく話しましょ!」
「そうなの…?わかった、楽しみにしてるねっ」
「はい、コレあげます。じゃあまた」
「わぁっ、ありがとーっ!またねーっ」
グラスのカクテルを飲み干して、生チョコが乗った小皿を長谷寺のほうへ寄せ、
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