第22話・血と闇色の髪
顔を
透は苦笑しながら、石川に新しいおしぼりを手渡すと、もう一つおしぼりを出して国語辞典と、テーブルに付着した血を
長谷寺は、せっかく席についたというのに、
「どしたのっ?迅ちゃんっ?」
風呂場に
「髪を洗ってから降りてこい、
「んーと、えーと、血を浴びたら頭も顔も洗って、そんで着替えるのがフツーなの?そーしないと変なの?」
「お前が住んでた所じゃ違ったのか…?」
「うん、外歩くとね?いっつも降ってるから。僕は浴びっぱなしだった、寝る前にパジャマに着替えるくらい!青いのとか赤いのとか緑のとか白いのとか、カラフルな血ばっかり飛んでくるから楽しいよ?」
そういう問題ではないんじゃないか、狂っているのか、そう思わずにいられない回答が返ってきて、迅の顔は引き
「キレーにしてから会いに来い、っていつも言うトモダチがいてね?そのトモダチと会うときだけキレーにしてた」
この言葉には一瞬、[ちゃんとしたヤツもいるんだな]と言いそうになったが、以前この
覚えているのは、長谷寺の故郷からやって来たとある男性が、彼の首を
(─…そういやぁ、あの人はコイツと違って格好だけはマトモだったなぁ)
「迅ちゃん?どーすればイイ?」
「…ぁ、あー、そうだな。ココでは、血を浴びたら髪も顔も身体も洗って、服を着替えたほうが普段何をするにも行動しやすい、今回からそうしねぇか?」
「そっかー、行動しやすいの大事だもんね!教えてくれてありがとーっ!洗ってくるっ」
どんな状況に置かれたとき、どう対応するのが一番早いか、それは長谷寺にとっても大事なことだった。故郷の犯罪都市アズミラでは、今日のような格好で外を歩き回っていても
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