第21話 いざ隔夜夢ダンジョン




男は決意する。





昨日おとといあたりは、隔夜夢上層のあまりの高さに眩暈がしたけれど

少し垣間見えた天上世界

そこに自分も到達したい・・・



見知らぬ老婆は、弱弱しい声で男を説得する。



「・・・やめときな・・・」



「あそこは心弱き者が立ち入る場所じゃあない。私は何人も見てきたんだ。悪い光たちにからまれて心を壊されてしまった者、あまりの孤独の寒さに凍え死んだ者、期待感と義務感に押しつぶされた者・・・全く恐ろしい魔境だよ、隔夜夢上層」



(……え、それはちょっと嫌かも)




登頂口付近で、たむろする 荒くれ たちが ヤジを飛ばす。

「がはは!!・・・星2ケタのお前が上層に行けるはずがないだろう!」

「あははは」



くふ・・・



ダメージを受ける男


ああ、なんだろうね、

那楼小説で、もらったスキルが不遇で馬鹿にされるとかいう展開よくあるけど

ハーマイオニーは、穢れた血で差別されたりしたけど

キマリは角無しだけど



星2ケタは・・・

完全に自分の怠慢と過失だから、心にグサッと刺さる。



真実なだけに、ぐうの音も出ない・・・





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